研究課題/領域番号 |
19J00324
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鄭 昇明 東北大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 初期宇宙 / 星形成 / 流体シミュレーション / ブラックホール / 銀河形成 / 宇宙論 / 数値シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
近年の観測により、宇宙初期に非常に重たいブラックホールが数多く存在することがわかってきた。このブラックホールがどのようにして形成されたかは未だ統一した見解が得られていない。本研究ではこれらのブラックホールの形成・成長の過程を数値流体計算を用いて探る。 これまでの観測により、ブラックホールの質量進化はその母銀河の性質と密接に関わっていることが示唆されている。実際にブラックホールは形成後、母銀河のガスを降着することで質量を増大する。そのため本研究では宇宙初期の銀河(初代銀河)の形成過程に特に着目する。初代銀河の形成とブラックホールの形成・進化のプロセスがどのように関わっているのかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本年度は宇宙初期における星形成、ブラックホール形成過程の理解を深めるためにさまざまな大規模数値シミュレーションをおこなった。宇宙初期は近傍の宇宙に比べて、酸素や炭素などのいわゆる重元素の量が非常に少ないと考えられている。このような低い重元素量の環境下ではガス雲の温度が大きくなることが知られており、実現する星の質量が大きくなると予想されていた。事実、重元素を全く含まない環境下で形成される「初代星」は、典型的な質量が太陽の数百倍とかなり重たくなるということが近年の数値シミュレーションにより示唆されている。しかしながら、重元素が少量含まれている環境下で実現する星質量分布に関しては現状十分に理解されているとは言い難く、更なる研究を要する。 我々は初期宇宙における星形成過程について大規模3次元流体シミュレーションを行うことで、異なる重元素量の下で形成する星の質量分布を計算した。想定した重元素量は太陽系近傍に存在する重元素量(Zsun)の100万分の1から0.1までである。計算の結果、重元素量が増えるにつれて太陽以下の質量を持つ低質量星の数が増大することがわかった。特に1/100000Zsunより重元素量が大きい環境下では、ダストによる熱放射によってガス雲は効率的に冷却される結果、数多くの低質量星が形成された。しかしながら、1/100Zsun以下の環境下では依然として星の質量の多くは大質量星が担っており、星の質量分布は近傍に比べていわゆる「top-heavy」的になることがわかった。一方で、重元素量が太陽系近傍の1/10になると大質量星の数が極端に減少することで近傍で見られるような「Salpeter」型の質量分布が実現することがわかった。この結果は論文に既にまとめられており、出版済みである。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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