研究課題/領域番号 |
19J00336
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 島根大学 (2020) 神戸大学 (2019) |
研究代表者 |
真砂 全宏 島根大学, 学術研究院理工学系, 助教
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 強磁性量子臨界 / 多極子秩序 / 核磁気共鳴 / 高圧実験 |
研究開始時の研究の概要 |
金属強磁性が圧力で抑制される様子は,反強磁性など他の磁気状態とは大きく異なる.すなわち,強磁性相転移が低温で一次相転移に切り替わり,絶対零度で2次相転移となる量子臨界点が観測されない.この現象を説明する理論が提唱され,その理解が進みつつあるが,1次元性の強い物質や局在的な物質では理論の適用外で,未解明である.さらに金属強磁性の抑制に伴い超伝導が発現する物質があるが,その形態も物質ごとに異なり,その理由の理解も望まれる.本研究では低温・高磁場・高圧という極限環境下での測定や物質開発を通し,そうした現象の理解を目指す.
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研究実績の概要 |
研究実施計画の通り反強磁性体CeCoSiの核磁気共鳴測定を行った.本物質では反強磁性転移よりも高温側に別の秩序相が存在することが指摘されているが,その秩序変数は不明であった.そこで本研究ではこの相の起源を明らかにすることを目的とした.本測定の結果,この相は格子変形を伴わない電気四極子相である可能性が高いことが分かった.正方晶のCe系化合物でこの秩序を示す例はまれであり,その発現には局所的に反転対称性がない特殊な結晶構造が関係している可能性がある.結晶構造と多極子相の関連を解明するうえで本研究の成果は意義深い.また,この相は,URu2Si2で見られる隠れた秩序相と類似しており,その起源の解明という点からも,CeCoSiでの発見は意義がある. 一方,磁場角度を制御して測定されたCeCoSiのスペクトルは,この相では異常なスペクトルの分裂を示すことが明らかとなった.これは磁場中では上記の電気四極子相が異なる状態にあることを示唆する.この効果もCeCoSiの特殊な結晶構造に起因する現象である可能性があり, 上記の測定に加え,研究目的に関連して反強磁性量子臨界候補物質の探索も行った.鉄系の反強磁性体Zr4Fe4Si7及び関連物質であるNb4Fe4Si7の単結晶試料の作製に成功し,約4 GPaまでの高圧下の電気抵抗測定を行った.その結果,Zr4Fe4Si7の反強磁性相は加圧につれて抑制されるものの,量子臨界点は4 GPaを超えることが明らかとなった.また,Nb4Fe4Si7について本研究で初めて低温の物性測定ならびに核磁気共鳴測定を行った結果,この物質がより磁気的な量子臨界点に近い可能性があることが分かった.ただし磁気秩序の詳細は未解明であり,試料の質の改善が課題である. ウラン系の強磁性臨界候補物質の合成については,出張が困難な社会情勢であったため,本年度は実施しなかった.
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現在までの達成度 (段落) |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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