配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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研究実績の概要 |
主に以下の2つの課題に取り組んだ: (1) 法p不分岐コホモロジーの双有理不変性, (2) 正標数の代数曲線の線型簡約基本群概形の余特殊化写像およびその応用. 以下で課題(1), (2)それぞれにおいて得られた成果について説明をする. (1) 成果として, 法p不分岐コホモロジーの双有理不変性に関する問題の肯定的解決が挙げられる. 正標数p>0の体上定義された固有スムーズ代数多様体が普遍的に自明なゼロサイクルのなすChow群を持つならば, そのコホモロジカルブラウアー群も自明であることが知られていた. その結果をより一般の法p不分岐エタールモチビックコホモロジーにまで拡張することに成功した. 法p不分岐エタールモチビックコホモロジーが一般にホモトピー不変でないことが問題を非自明にしていたが, ある種のtame部分群を考察することによりこれを克服した. 与えた証明は古典的な道具立てだけで構成されている. またコホモロジーの具体的な記述や剰余写像の計算によるものであり, 今回行った計算は有理性問題などの具体的な問題に対しても有用であろうと期待される. さらに関連した問題にも取り組み, 国内の専門家2名と議論を重ね, 一定の理解に辿り着いた. (2) 正標数の代数曲線の線型簡約基本群スキームについて前年度までにある程度成果が得られていたが, モジュライ依存性や数値的不変量の復元についてアフィン代数曲線の場合は不十分な点が多く残されていた. 今年度, 研究を進めたことにより, これらについて大きく理解が進んだ. 特に双曲的代数曲線の場合は, 種数やカスプ点集合の濃度, p階数といった数値的不変量が線型簡約基本群スキームで復元できることがわかった. これについては正標数の幾何的基本群の遠アーベル幾何学に詳しい専門家からの助言によって明らかにすることができた事実である.
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