研究課題/領域番号 |
19J00465
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分17050:地球生命科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮嶋 佑典 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 冷湧水 / 炭酸塩 / ストロンチウム / ネオジム / リチウム / レーザーアブレーション-ICP質量分析計 |
研究開始時の研究の概要 |
海底から湧出する冷湧水は、光合成に依存しない化学合成生態系を支えるとともに、海底下環境での水や物質の循環を知るための窓といえる。現在とはプレート運動の異なる地質時代において、冷湧水の湧出する海底下でどのような物質のやりとりが行われていたのかは明らかでない。冷湧水では炭酸カルシウムからなる炭酸塩岩が形成され、その中には湧水の元素・同位体組成が記録されている。本研究では、古生代~新生代の地層に保存された冷湧水性の炭酸塩岩に含まれる、ストロンチウムやネオジム、リチウムといった微量元素の同位体組成を分析し、過去の冷湧水が海底下のどの深度に由来し、どのような岩石と反応して湧出していたかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
北海道の上部白亜系蝦夷層群(アルビアン~カンパニアン階)から採取された冷湧水成の炭酸塩岩を対象に、ストロンチウム放射性起源同位体比の分析を行った。冷湧水炭酸塩岩には堆積物や粘土鉱物が多く含まれ、それらは湧水とは異なる同位体組成を示す。本研究では、レーザーアブレーション-ICP質量分析法を用いて、堆積物を含まない厚さ数ミリメートル程度のカルサイトセメントの局所ストロンチウム同位体比分析を行った。その結果、カルサイトセメントは同時代の海水と同じか、海水よりやや放射性起源ストロンチウムに乏しい同位体組成を示した。この結果は、堆積物由来ストロンチウムの混入では説明できず、白亜紀当時の湧水に海水由来の成分に加え深部流体の寄与があったことを示唆している。深部流体は、蝦夷層群の基盤をなす塩基性岩類に由来すると考えられる。この深部流体の寄与をさらに検証するため、ポーランドのアダム・ミツキェヴィチ大学にてネオジムの放射性起源同位体比の分析を行うための試料前処理を行った。同位体比は現在分析中である。 本研究ではまた、炭酸塩岩のリチウム安定同位体比を分析するための試料前処理、分析装置立ち上げを行った。炭酸塩のリチウム濃度はふつう1 ppm以下と非常に微量であるため、レーザーアブレーション法による同位体比分析は困難である。本研究では試料を溶解させた溶液を対象に、研究室に新たに導入された高精度ICP質量分析装置を用いて微量なリチウムの同位体比測定を試みた。日本海で採取された炭酸塩を用いて、高純度希塩酸によるリーチング処理を施すことで、堆積物由来リチウムの溶出を抑えつつ同位体比分析に必要な量のリチウムを炭酸塩から抽出した。またリチウム標準試料を用いて、同位体比分析のための装置制御ソフトウェアのメソッド作成と、最適な分析濃度、装置安定性および測定精度の確認を行った。
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現在までの達成度 (段落) |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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