研究課題/領域番号 |
19J00677
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
桑原 夏子 早稲田大学, 文学学術院, 特別研究員(SPD) (90873357)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 聖母晩年伝 / シエナ / フォリーニョ / タッデオ・ディ・バルトロ / オッタヴィアーノ・ネッリ / フランチェスコ会 / 図像 / 教皇派と皇帝派 / 死生観 / アッシジのサン・フランチェスコ聖堂 / ローマのサンタ・マリア・マッジョーレ聖堂 / チマブーエ / ヤコポ・トッリーティ / ジョット / 葬礼美術 / 典礼 |
研究開始時の研究の概要 |
キリストの母、聖母マリアの地上での最後の日々、死、そして天国での栄光化を扱った一連のエピソードを聖母晩年伝と呼ぶ。聖母晩年伝は13世紀半ばから15世紀末にかけて、主に壁画や祭壇画に描かれ、イタリア各都市の聖堂を飾った重要な画題群である。 本研究は、現地での詳細な作例調査と歴史資料の検証を通して、誰が何の目的で聖母晩年伝を描くことを依頼し、聖母晩年伝がどのような壁画と共に描かれ、どのような意味を紡いでいたのかを詳らかにすることで、聖母晩年伝が聖堂空間の中で担っていた機能(役割)を明らかにするものである。
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研究実績の概要 |
聖母晩年伝の機能研究について、計画していた「④政治的空間における聖母晩年伝の機能」について中心的に研究し、実績をあげることができた。 具体的には、聖堂ではなく、政庁舎などの政治的空間に設けられた礼拝堂に描かれた聖母晩年伝の機能(役割)を考察することを目的としたが、その代表作例であるシエナ政庁舎内礼拝堂壁画(タッデオ・ディ・バルトロ作)と、フォリーニョのパラッツォ・トリンチ内壁画(オッタヴィアーノ・ネッリ作)を扱った。 シエナ作例に関しては、当該作例を含む政庁舎内の壁画の内容を記録・観察するフィールドワークを実施すると同時に、史料調査を実施し、政庁舎内の壁画装飾事業の経緯をリスト化した。その結果、教皇グレゴリウス12世の一時的なシエナ滞在の際に、画家を政庁舎内に幽閉するという極端な手段を用いてまで壁画の完成が急がれていたこと、隣接する「バリーアの間」の壁画装飾もほぼ同時期に実施され、こちらには「シエナ出身の教皇アレクサンデル3世にまつわる物語」が選択されていることに着目するに至った。当時、教皇グレゴリウス12世が教会大分裂の危機の最中にシエナに滞在し、教会大分裂の解消に苦心していた背景を念頭に置くならば、シエナの政庁舎内礼拝堂と「バリーアの間」の壁画は、教皇グレゴリウスと都市シエナとの関係性の中で理解できると推定できる。この成果に関する論文は『西洋中世研究』に投稿し、査読の結果待ちである。 フォリーニョ作例に関しては、これまで研究し、想定してきた「アヴィニョンの教皇館とヴァチカン宮殿に描かれていた失われた作例」に影響を受けた作例の一つであることを、ラクイラ大学ペッツート氏との共同研究において主張したが、その内容はイタリア語の書籍として2021年4月に出版された。同内容は画家オッタヴィアーノ・ネッリに関する展覧会カタログ(2021年)の論文にて好意的に取り上げられ、評価された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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