研究課題/領域番号 |
19J00686
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 東京工業大学 (2021) 九州大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
西田 慶 東京工業大学, 生命理工学院, 助教
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 細胞-材料間相互作用 / 細胞接着力 / 細胞膜糖鎖 / 分子運動性 / 癌免疫治療 / 生体適合性高分子 / 水和 / 細胞分離 / アポトーシス / 単一細胞フォーススペクトロスコピー / 癌免疫 / 細胞膜 |
研究開始時の研究の概要 |
癌免疫治療法は、転移性を示す治療後期癌だけでなく治療初期癌に有効な治療標的として期待されているが奏功効率に課題がある。本課題では、細胞死における癌免疫原性の形成に注目し、癌アポトーシス細胞を“癌抗原”とした癌免疫治療法の確立を目指す。具体的には、生体適合性の高分子材料およびアポトーシス細胞の膜界面の水和状態の変化に着目した細胞分離法を考案し、アポトーシス細胞を選択的かつ簡便、迅速に分離するバイオ界面を創製する。本バイオ界面を用いて、アポトーシス段階と細胞膜の水和状態、癌免疫応答性および抗腫瘍活性の関係を明らかにすること癌免疫治療法としての有効性を実証する。
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研究実績の概要 |
本研究では、癌アポトーシス細胞を用いた癌治療法の確立を目指して、癌アポトーシス細胞を選択的かつ迅速に分離が可能なバイオ界面を材料の水和状態に着目して実施した。昨年度までに、単一細胞フォーススペクトロスコピーおよび側方遠心力測定から、材料表面の水和水量が細胞の接着に影響を与えるパラメータの一つであることを明らかにした。結合水量が異なるpoly(2-methoxyethyl acrylate) (PMEA)およびその類似体を合成し、高分子塗布基板を作製することで、基板表面上における水和状態および癌細胞との直接的な相互作用について基礎的な評価方法やアポトーシス細胞を回収するための方法論を確立している。高分子基板の結合水量が0~17 wt%の間において、細胞の接着が生じるとともに、結合水量の増加に依存した細胞接着力の低下が認められた。また、側方遠心力を用いることで結合水量が6~20 wt%の高分子基板上において、無血清下の各基板に接着した細胞は50~80%以上の細胞を脱着させ、回収可能であることを見出している。そこで、結合水量が0.68 wt%のpoly(n-butyl acrylate)と6.2 wt%のPMEA上における癌細胞について、無血清下での細胞機能を評価した。PBAとPMEA上では、細胞の骨格系シグナルが大きく変調されることを見出した。このシグナルの差は、無血清下における細胞の生存率に関与しており、PMEA上の癌細胞では、無血清環境での生存率が大きく向上した。一方PBA上の細胞は、播種直後からアノイキスによる生存率の低下が生じた。したがって、無血清下においてPMEA上で播種した癌細胞に抗がん剤でアポトーシスを誘導することで、細胞死が生じた細胞のみを容易に回収可能であると予想される。本研究のさらなる発展は、癌アポトーシス細胞を用いた癌治療法の確立に寄与すると期待される。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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