研究課題/領域番号 |
19J00887
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
日比野 沙奈 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | T細胞 / 抗腫瘍免疫応答 / オンコメタボライト / スペルミジン / 癌性腹膜炎 / DAMPs / マクロファージ |
研究開始時の研究の概要 |
膵臓癌に代表される難治・進行性固形癌患者の多くに見られる慢性炎症は、癌のさらなる増殖や転移、最終的には癌性悪液質のような全身状態の悪化をもたらす。しかしながら、炎症の責任分子をはじめその分子機序は未だ不明な点が多く、進行癌患者に対する炎症制御を目的とした治療法は確立していない。そこで本研究では、炎症の起点として、病態進展の過程でネクローシスを起こした癌細胞から放出される自己由来の免疫調節因子(damage associated mol ecular patterns;DAMPs )に着目し、難治 ・進行性癌や癌性悪液質の治療標的となりうる新規DAMPの同定並びに機能解析を目標とする。
|
研究実績の概要 |
低分子生理活性物質であるポリアミンは、あらゆる細胞種において細胞内在性の増殖因子として機能し、特に悪性腫瘍のような活発に増殖する組織中に非常に高濃度で存在することが知られている。癌患者の血清や尿、唾液といった生体試料中にも、ポリアミン類が健常個体と比べて顕著に高濃度で検出されることが報告されているが(Casero et al. Nat Rev Cancer. 2018)、これらの“細胞外”ポリアミンが腫瘍進展において何らかの病態生理学的意義を持つかどうかは明らかになっていなかった。 興味深いことに、我々の最近の研究により、死んだ癌細胞から放出されるポリアミンが、腫瘍局所においてエフェクターT細胞機能を抑制する免疫チェックポイントとして機能し、癌免疫療法の新規治療標的として有効である可能性が示された。具体的には i) 低酸素や低栄養といった過酷な環境ストレスに曝露された癌細胞は、細胞死に伴いポリアミンを腫瘍間質のような細胞外空間に放出すること、ii) 細胞外ポリアミンは、T細胞受容体(T cell receptor: TCR)下流近傍のシグナル伝達の阻害を介してT細胞のエフェクター活性を負に制御すること、iii) ポリアミン合成阻害剤はin vivoで抗腫瘍T細胞応答を活性化し、免疫チェックポイント阻害療法 (Immune checkpoint blockade; ICB)と併用することで、ICBに抵抗性の腫瘍モデルに対しても相乗的な優れた抗腫瘍効果を誘導すること、を主にin vitroの実験系やマウスモデルを用いた検討により明らかにした。今後も引き続き、細胞外ポリアミンを標的とした新規癌免疫療法の臨床応用へ向けたproof of conceptを得ることを目標に研究を進めていく予定である。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|