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有機ラジカルを用いたランダム性が誘起する量子スピン液体のパラメータ制御

研究課題

研究課題/領域番号 19J01004
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
審査区分 小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
研究機関大阪府立大学

研究代表者

河野 洋平  大阪府立大学, 理学系研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2019-04-25 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2019年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード有機磁性体 / 低次元量子スピン系 / ランダムシングレット / 有機合成 / 極低温物性測定
研究開始時の研究の概要

絶対零度でも秩序が生じない量子スピン液体(QSL)という状態がその特殊性から近年盛んに研究されている。しかしながら、実際の物質と理論を結びつけることは多くの場合、完全に成功してはいない。本研究では、QSLの発現機構として有力なランダムシングレット(RS)描像の候補物質である金属-有機ハイブリッド磁性体を元に、新規物質の開発とその極低温領域(2 K以下)での物性を解明する。有機磁性体の高度な拡張性を利用することで、RS描像のQSL状態の実現を目指すとともに、新奇な量子物性を開拓する。

研究実績の概要

本年度は研究課題に直接関連する物質として、主にフェルダジルラジカルベースの金属-有機ハイブリッド磁性体[Zn(hfac)2](o-Py-V-p-F)の構造解析と極低温物性測定、[Zn(hfac)2](o-Py-V-p-Br)の合成と構造解析をおこなった。相互作用にランダム性を持つS = 1/2ハニカム格子磁性体[Zn(hfac)2](o-Py-V-p-Cl)における先行研究で、理論的に提案されているランダムシングレット描像の量子スピン液体と呼ばれる物理現象に特徴的な振る舞いが観測されていた。前述の2つの物質はこの先行物質の塩素Clをそれぞれフッ素F、臭素Brに置換したものである。分子軌道計算という手法を用いて、これら2つの物質の相互作用を評価したところ、先行物質と異なるパラメータが得られた。この結果から研究の目的のパラメータ制御としては一定の成果を得ることができたと考えられる。特にフッ素Fに置換した物質では極低温(~80 mK)における特徴的な振る舞いとして、飽和(~6 T)までの磁化曲線に傾きが一定となる3つの領域が存在する事がわかった。この特徴は先行物質には見られなかった振る舞いである。また、3つの領域が存在することは、分子軌道計算から評価された3種類のランダムな相互作用のパターンが、直接磁性に反映されていることを示唆している。磁化曲線の線形性はランダムシングレット描像の量子スピン液体の理論計算においても予想されており、以上の結果から、これらの物質群が当該物理現象の解明を目指す上で有用であることが期待される。

現在までの達成度 (段落)

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

今後の研究の推進方策

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

報告書

(1件)
  • 2019 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Magnetic properties of a spin-1/2 honeycomb lattice antiferromagnet2020

    • 著者名/発表者名
      Y. Kono, T. Okabe, N. Uemoto, Y. Iwasaki, Y. Hosokoshi, S. Kittaka, T. Sakakibara, and H. Yamaguchi
    • 雑誌名

      Phys. Rev. B

      巻: 101 号: 1 ページ: 014437-014437

    • DOI

      10.1103/physrevb.101.014437

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Emergent critical phenomenon in spin-1/2 ferromagnetic-leg ladders: Quasi-one-dimensional Bose-Einstein condensate2019

    • 著者名/発表者名
      Kono Y.、Kittaka S.、Yamaguchi H.、Hosokoshi Y.、Sakakibara T.
    • 雑誌名

      Physical Review B

      巻: 100 号: 5 ページ: 05442-05442

    • DOI

      10.1103/physrevb.100.054442

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] フェルダジラジカルをベースとした低次元量子磁性体の低温物性2019

    • 著者名/発表者名
      河野洋平, 上本菜央, 山口博則, 元木大介, 橘高俊一郎, 榊原俊郎, 細越裕子
    • 学会等名
      日本物理学会2019年秋季大会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書

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公開日: 2019-05-29   更新日: 2024-03-26  

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