研究課題/領域番号 |
19J01068
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
鹿野 悠 慶應義塾大学, 医学部, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ドパミン / オペラント条件付け / GRABセンサー / ファイバーフォトメトリー / 報酬予測誤差 / 海馬 / 時間知覚 / 行動課題 |
研究開始時の研究の概要 |
海馬や線条体を損傷した患者では、時空間認知に異常が生じる。なかでも本研究は特に時間情報処理に着目する。私はすでにラットを用いて分単位の時間経過を脳内で表象する神経発火を発見した。つまり個体内の時間のながれを推定する指標を神経活動という形で得た。本研究では内的な時間経過の速度が経験や情動によって変化するメカニズムを解明すべく、神経修飾物質による制御機構について検証していく。具体的には、細胞種特異的な神経活動操作・記録を光遺伝学的手法で行い、各神経修飾物質による内的な時間経過への影響を行動や神経活動から推定していく。本研究によって数分単位で生じる生命現象に共通する制御機構の一端の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
ドパミンは神経修飾物質の一つとして知られ、個体の運動、学習、価値判断、意欲などを制御するといった多岐にわたる機能を持つと考えられている。私はドパミンにより時間という内的な情報がいかに脳内で処理されるか、その情報は脳内ドパミン濃度のどういった変化で特徴づけられるか、個体の行動戦略にどう影響するかを調べた。私はマウスの脳内におけるドパミン濃度変化がリアルタイムで計測可能な技術(蛍光ドパミンセンサータンパクを用いたファイバーフォトメトリー)を用いた。その結果、もしマウスが予測していた報酬が手に入らなかった場合、ドパミン濃度の一過的な減少が見られたこと、そしてその減少幅は時間経過(課題構造上、動物は時間経過とともにより高確率で報酬が得られることを予測している)とともに増大していくということを、昨年度までの研究成果によって明らかにした。従来提唱されている報酬予測誤差の理論から裏付けられる結果であり、ドパミンによる価値判断における時間的側面の情報処理機構を証明することができた。今年度は、昨年度までに得られていた実験結果に基づいて、さらに多くの個体について実験を行い結果の堅牢性を示した。さらに、実験個体から得られたドパミン変動や個体の行動戦略に対して、昨年度に開始した強化学習モデルでの再現を更に発展させることに成功した。これらの研究内容を発表論文としてまとめ、bioRxivへの投稿、更には学術誌への投稿を済ませた。 上記の研究成果と学術論文の草稿はbioRxiv(Shikano et al., The dopamine dip amplitude is a quantitative measure of disappointment, doi: https://doi.org/10.1101/2021.07.23.453499)にて一般に公開されており、閲覧可能である。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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