研究課題/領域番号 |
19J01142
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
仲間 絢 東京藝術大学, 美術研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ドイツ・ゴシック / 彫刻 / 雅歌 / 花嫁神秘主義 / ゴシック / 聖母マリア |
研究開始時の研究の概要 |
西洋中世の聖母マリア美術における、彫刻のイメージの成立について、聖母マリア崇拝とキリスト教神秘主義のきわめて重要な主要原典であった、旧約聖書『雅歌』との関連から考察する。とくに、13世紀の南ドイツの美術―バンベルク大聖堂、ナウムブルク大聖堂、マグデブルク大聖堂、マイセン大聖堂などを対象とし、歴史的背景を考慮しつつ、聖母マリア崇拝の図像との比較をしながら、『雅歌』の花嫁神秘主義のイメージの象徴性を当時の女性性の問題から考察することにより、彫刻群の表現内容を明らかにすることを目的とする。多大な影響を及ぼしたフランス・ゴシックの聖母マリア崇拝の「聖母戴冠」の図像や皇帝崇拝の図像の影響なども調査する。
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研究実績の概要 |
本年度は、ドイツ・ゴシック彫刻における『雅歌』の花嫁神秘主義の影響の分析を総括することを試みた。とくにドイツ・ゴシック彫刻の頂点をなし、もっとも重要な作品群であるバンベルク大聖堂彫刻群について、これまでの成果を踏まえたうえで、新たに考察を発展させることができた。たとえば、聖ゲオルギウス内陣北障壁の中央に位置する聖母マリアが本を掲げていることが、これまでは「聖母戴冠」図像のみでは説明することができなかったが、隣の冠を掲げる天使像との組み合わせにおいて、「受胎告知」と融合した図像であることを明らかにした。その際、同障壁上の「慈悲の門」にもっとも近いレリーフにおける天使と聖母マリアの像が同様に「聖母戴冠」と「受胎告知」の双方の図像を取り入れていることとの並行性から説明できるようになった。また、《騎馬像》についても、これまでは「君侯の門」から入堂した鑑賞者にまず初めに背中をみせることから、付き従う像であることが想定されていたことを指摘していたが、それに加えて大聖堂宝物の貴重な写本作品である〈バンベルク雅歌註解〉において、花婿キリストへと向かう信者の長い行列が、『雅歌』の花婿に付き従うことを意味する該当部分の視覚化であることとの関連に新たに着目し、《騎馬像》の分析をより深めることができた。くわえて、スイスをはじめとした中世当時のドイツ語圏の国々におけるゴシック彫刻についても調査し、考察の幅を広げることができた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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