研究課題/領域番号 |
19J01186
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分45020:進化生物学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
赤司 寛志 東京理科大学, 先進工学部, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 温度感受性TRP / アノールトカゲ / 温度応答遺伝子 / phylogenetic ANOVA / EVE model / 温度適応 / 温度感覚 / 忌避体温 / 忌避行動 / 進化 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトがわずかな体温変化で体調を崩してしまうように、温度は生物の活動を左右する重要な環境要因である。動物は、適切な体温調節を行なうために自身にとって危険な温度を感知しなければならない。では、異なる温度環境に適応した種は、それぞれ異なる温度感覚が進化しているのだろうか?本研究では、様々な温度環境で活動しているアノールトカゲに着目し、温度環境への適応に伴い温度感覚がどのように進化してきたのかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本年度は、先行研究(RNA-seq)から得られたキューバ産アノールトカゲ3種における遺伝子発現データに加え、プエルトリコ産アノールトカゲ2種のRNA-seq解析を実施し、熱刺激に対する遺伝子発現応答の進化的変化を検証した。26Cと33Cに晒した個体の遺伝子発現を比較したところ、熱刺激に対して応答する共通の遺伝子群を明らかにした。これらの遺伝子は、幅広い動物種で温度応答遺伝子として保存されている可能性も高く、動物の熱応答や熱耐性の進化を明らかにする上で重要であると考えられる。また、RNA-seqデータを用いてphylogenetic ANOVA (the Expression Variance and Evolution Model, EVEmodel)を実施した。EVE modelは、遺伝子発現量に対する系統間の分断化選択を検出するものである。解析の結果、遺伝子発現量が系統特異的に変化している遺伝子を多数検出した。特に、プエルトリコ産アノールトカゲ1種については、温度感受性TRPの一つであるTRPV1の発現量が、他4種に比べ非常に高くなっていた。このプエルトリコ産アノールトカゲは高温刺激に脆弱であり、低温種として報告されている。TRPV1は高温感受性があることから、TRPV1の発現量そのものの変化が温度環境への適応に重要であるケースがあることを示唆している。 本研究当初の期待されるインパクトとして、「TRPの活性化温度は、生物の温度応答を理解・予測する上での有用なパラメータとして提示する」ことを想定していた。これまでの研究から、TRPA1の活性化温度が有用なパラメータである可能性を示唆することができ、さらにTRPV1のように温度応答遺伝子の系統特異的な発現量変化も注目に値することを示すことができた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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