研究課題/領域番号 |
19J01435
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 京都大学 (2020-2021) 国立研究開発法人森林研究・整備機構 (2019) |
研究代表者 |
青柳 亮太 京都大学, 白眉センター, 特定助教
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 熱帯林 / リン / 窒素 / 適応 / 熱帯雨林 / 個体群生態学 / 生態系生態学 / 機能形質 / マレーシア / パナマ |
研究開始時の研究の概要 |
熱帯低地林は生産に必須の元素であるリンが環境中に少ないにも関わらず、地球上で最も高い純一次生産を行う。この背景には樹木のリン欠乏への適応メカニズムが隠されているはずである。本研究では、「材組織に投資されるリンを削減することで生産に必要とされるリン投資を維持する」という仮説を立証する。また、同じ熱帯でも、多様性の高い地域(マレーシア)では、低い地域(パナマ)よりも高い生産性が維持されている。このことから「多様性が高い地域ではよりリン欠乏に適応した種が生まれ、結果として生態系の生産性が高まる」ことが示唆される。この仮説を検証し、生態系の成立要因として生物適応の重要性を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、熱帯樹木を対象にリン欠乏に対する樹木の適応とそれらが樹木の個体群動態を通して森林バイオマスに及ぼす影響を明らかにすることを目的とする。研究期間を通して、(1)メタ解析により、世界の熱帯原生林がリンの添加に対し強い反応を示さないこと、(2)熱帯雨林のリン欠乏に適応した種の成長・死亡の特性を明らかにした。これらの結果は、リン欠乏適応した種は、リンの少ない環境でも成長速度、生存率を維持できており、それによって貧栄養環境でも森林バイオマスが高く維持されていることを示している。 本年度はこれらに加え、レビュー論文を作成し、熱帯樹木の多様なリン欠乏適応メカニズムについてまとめた。網羅的な文献のレビューにより、(1)貧栄養に伴って森林の種多様性が大きくなるという現象が存在すること、(2)リン欠乏適応機構のコストについての研究が遅れていること、について報告した。 特にリン欠乏に伴って種の多様性が高まるメカニズムとして、多様な適応形態が関わっているという新たな仮説を提唱した。リン利用や吸収を効率化するメカニズムが多数存在することで多くの種の共存が促進されている可能性がある。リン欠乏適応と関わるコストについては、現時点では研究が少ないが、貧栄養下で成長速度を維持するために、繁殖に投資する資源が少なくなるなどが考えられる。今後、リンの異なる機能への投資や、その他の元素(炭素、窒素)との関わりを調べていくことが必要である。この結果を受け、葉、材、根の形質と呼吸の関係についても調査を行った。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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