研究課題/領域番号 |
19J01451
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
平出 喜代恵 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | カント / 倫理学 / 道徳哲学 / 宗教論 / 人間性 / 人間の尊厳 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、現代の価値多元社会の基盤をなす人間の尊厳概念について、その歴史的源泉であるカントに立ち戻ってその規範性を取り出したうえで、これを現代のアクチュアルな議論を促進する概念として活性化していくことを目指す。 具体的には、倫理的規範としての人間の尊厳概念に照らして現代の法概念としての人間の尊厳を思想史的・歴史的に基礎づけることで、この概念が現代社会において法実践的にも生命倫理学的にも依拠するに値する概念であることを示す。それから、人間の尊厳概念をとくに生命倫理学の問題に問いながら活性化していく。
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研究実績の概要 |
人間の尊厳概念は、その内実が曖昧であるにもかかわらず議論を打ち切る強い力をもち、これによってバイオ研究の可能性が摘まれているのだから、この概念の使用を控えるべきだと非難されることがある(Birnbacher, 1996)。しかしまた、生命技術の猛進に歯止めをかけるのもこの概念であり、現代において手放されるべきではない(松田純、2005年)。こうした批判にたいする従来のカント研究の対応は、人間の尊厳概念を世俗的に理解し、具体的な行為指針を導出しようとするものだった。だが本研究のみるところ、むしろこうした解釈によってこの概念の内実が曖昧さを増し、規範性を失っている。 以上のような状況を踏まえ、本研究は今年度、「理念的・普遍的な人間の尊厳概念の豊かさの奪還」を目的として研究を遂行してきた。すなわち、(1)過度に世俗的な人間の尊厳解釈がかえって、その本来的な規範性を見失わせていること、(2)カントの人間の尊厳概念は普遍性・理念性を堅持しつつ、 しかしたんなる形式的な普遍性を意味しているのではないことである。(1)の遂行にあたって、現代カント研究の主流をなす人間の尊厳理解の論点の把握に努めた。この観点からカントの議論を検討することで、人間の尊厳概念が本来もっていた規範性が浮き彫りにされた。以上の成果を踏まえて(2)については、一方で人間の尊厳概念とカントの展開する死刑容認論とのかかわりを検討し、他方で生命倫理学上のアクチュアルな問題である重度の認知症患者への処遇についてカントの道徳哲学から引き出しうる示唆について考察を行なった。
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現在までの達成度 (段落) |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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