研究課題/領域番号 |
19J01569
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
|
研究機関 | 分子科学研究所 |
研究代表者 |
松村 祥宏 分子科学研究所, 理論・計算分子科学研究領域, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | Dynamic disorder / Dynamic correlation / Internal water exchanges / Protein dynamics / Dynamical disorder / Rate process / Fluctuations / Heterogeneity / Molecular theory |
研究開始時の研究の概要 |
原子や分子が多数集まった凝縮系(溶液、蛋白質など)における化学反応や構造変化は、微視的スケールの複雑な(不均一かつ動的な)揺らぎの下で進行する。一分子計測実験や計算機シミュレーションの発展により現象の時間発展に関する膨大な情報が微視的レベルで得られるようになったが、揺らぎの影響の理解は未だ確立されていない。本研究では、揺らぎの影響を解明・理解する理論および記述・予測する理論を構築し、凝縮系における化学反応・構造変化の原理・法則を導き出す。
|
研究実績の概要 |
反応や状態遷移イベントは周囲環境の不均一性を反映して時系列に沿った相関(動的相関)を示す. 本研究では動的相関の微視的起源を解明するための解析手法の確立を目指し、水中のBPTIタンパク質に関する1ミリ秒の超長時間MDの時系列データを対象とした研究を行った. BPTIには内部水が存在して水素結合によってタンパク質の構造安定化に寄与している. 内部水がバルク水分子と交換する過程(内部水交換)がNMR緩和分散実験およびMD計算で調べられてきた. 特にMD計算に基づいて内部水の交換時間の1次元分布関数が解析され、複数の時間スケールおよびそれらの間の動的相関の存在が示唆された. しかし、詳細はわかっていない. そこで、内部水の交換時間の2次元分布関数に基づく一連の解析によって動的相関を微視的に解明するための研究を行った. NMR実験とMD計算で平均交換時間に良好な一致がみられる内部水(W112)を対象とした. まず、交換時間の自己相関関数の解析から相関緩和の時定数が求められ、BPTIのCys14-Cys38ジスルフィド結合周囲の二面角ダイナミクスの時定数との対応から両者の関連性が示唆された. 交換時間の2次元分布関数の解析によって1マイクロ秒スケールと10ナノ秒スケールの交換時間成分の間の遷移が相関緩和の要因であるとわかり、2次元分布関数の相関項における寄与の解析から、この遷移はCys14-Cys38ジスルフィド結合に関する2つの構造状態、Majorとminor、の間の変化と関連することがわかった. また、Major構造-minor構造間の遷移に伴って内部水(W112)と水素結合しているBPTI中の2つのループ構造L1およびL2の間の距離が変化しており、これによる内部水(W112)の安定化・不安定化と交換時間の相関との関わりが示唆された.
|
現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|