研究課題/領域番号 |
19J01756
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 基礎生物学研究所 |
研究代表者 |
野崎 友成 基礎生物学研究所, 新規モデル生物開発センター, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 倍数性 / 細胞内共生 / 遺伝子発現解析 / アブラムシ / 共生微生物 / 昆虫 |
研究開始時の研究の概要 |
様々な生物においてみられる細胞内共生という現象に関して、宿主生物が提供する共生に特化した細胞が他の体組織よりも多くのゲノムセットをもつこと、そして共生微生物側もゲノム量が倍増していることが広く観察されてきた。本研究では、共生ゲノム学のモデルとなりつつあるアブラムシとその共生細菌ブフネラを材料とし、このDNAの倍数化の制御機構および生物学的な意義を明らかにする。 そのためにまず、アブラムシの共生細胞とブフネラの倍数性パターンを明らかにするとともに、細胞の倍数性と遺伝子発現量・パターンの関係を調べる。そして倍数性制御に関わる遺伝子の機能解析により、細胞内共生系における倍数化の重要性を考察する。
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研究実績の概要 |
動植物と微生物との高度な共生関係は普遍的である。一部の昆虫は共生微生物を収納・制御する特殊な細胞=ホスト細胞を有しており、その生物学的機能は多くの研究者の興味の対象であった。これまで、共生者である細菌およびホスト細胞の両者が倍数化していることがたびたび指摘されてきた。倍数化が、細胞サイズや遺伝子発現制御等に関わることを考慮すると、昆虫と微生物の細胞内共生において倍数化は重要な意味をもつと予測される。本研究の目的は、昆虫の細胞内共生系のモデルであるアブラムシとその共生細菌ブフネラを材料とし、両者の倍数化の制御機構や生物学的意義を解明することにあった。本年度は最終年度であることから、昨年度までの結果を論文化するとともにシングルセルレベルでの遺伝子発現解析系の確立を目標とした。昨年度までに行った、アブラムシのホスト細胞の倍数性動態の徹底的な記述に関する論文は現在査読中であり、早期の論文化が見込まれる。 遺伝子発現解析の実験系に関しては、顕微鏡下での半自動の一核ピックアップ法を確立し、シーケンスおよび解析を行った結果、十分な質のcDNAライブラリを得ることに成功した。今後は倍数性の指標となる核サイズとの相関を調べ、本課題の目標である倍数性とホスト細胞の遺伝子発現の関係を明らかにしてゆく。また、この「ホスト細胞の単一核RNA-seq」は今後、様々な昆虫の共生系へ応用可能であり、波及効果が非常に高いと考えている。 共生細菌の倍数化に関しては、昆虫からの細菌細胞の単離と細菌にダメージの少ない固定方法を検討し、実験系をさらに洗練させた。これまでに各種昆虫で解析を行っており、予備的な解析からゲノムサイズと細菌の倍数化度合いには負の相関があると判明している。共生微生物の倍数化は、極度に減少したゲノムサイズを補償している可能性がある。今後は、以上の結果を、論文化を念頭においてまとめてゆく。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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