研究課題/領域番号 |
19J01971
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 東京大学 (2020-2021) 国立研究開発法人物質・材料研究機構 (2019) |
研究代表者 |
山本 翔太 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 上皮成長因子担持ナノ粒子 / アポトーシス / シグナル伝達 / 抗がん剤 / がん細胞 / バイオ分析 / メカノバイオロジー / ナノ粒子 / 上皮成長因子 |
研究開始時の研究の概要 |
上皮成長因子(EGF)は一般的に細胞の“生存”を促進すると知られているが、EGFのナノ粒子への固定化は部分的にEGF受容体の活性化を増強し、EGFの効果を突如“死”に切り替える。そのため、このようなEGFナノ粒子は新たな抗がん剤として期待されているが、その作用機序は未だ不明瞭である。そこで本研究ではEGF活性を「増強と制御」できる新奇EGFナノ粒子を開発し、細胞内分子の時空間ダイナミクスを検出するバイオ分析技術を組み合わせることで、応答場から発生するアポトーシス活性分子の特定や、動態解析によりEGFナノ粒子が誘導するアポトーシス機構を解明し、新たなナノ粒子抗がん剤としての有用性を探究する。
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研究実績の概要 |
細胞の成長や増殖を誘導する上皮成長因子(EGF)は、ナノ粒子へ固定化されることでEGFの効果をアポトーシス(細胞死)に切り替えるが、その作用機序は未だ不明瞭である。そこで本研究では、これまでに新たなナノ粒子コンジュゲートを開発し、作用機序を解析する研究を進めてきた。前年度までに粒子径やEGF表面密度など、粒子の物性を調節した材料を開発し、EGFナノ粒子がアポトーシス活性を獲得するために必要な条件を調べてきた。本年度は、まず前年度の研究を継続して行うことで、ナノ粒子がアポトーシス誘導活性獲得のために不可欠な粒子径とリガンド密度の関連性を明らかにした。続いて、粒子と細胞の反応に注目して研究を実施した。最初の実験として、細胞内に存在する膜輸送に関与するタンパク質の機能を阻害する試薬を投与したがん細胞に対してEGFナノ粒子を投与し、その後アポトーシスアッセイを行った。すると興味深いことに、粒子が投与されていない細胞や未処理の細胞は生存していたが、粒子を投与した細胞のみがアポトーシスした。さらに、ナノ粒子と機能性バイオマテリアルを組み合わせたコンジュゲートを開発し、上述した試薬添加ではなく、材料によって細胞への反応を制御した実験系で調べた場合でも、同様にアポトーシス活性が確認された。最後に、これらの条件における細胞応答性をウエスタンブロッティングなどの生化学実験や蛍光顕微鏡を用いたバイオイメージングにより調べると、ナノ粒子コンジュゲートは、通常とは異なる活性を引き起こしていた。これは、EGFをナノ粒子に固定化することで特殊な膜輸送を起こし、それが起因してアポトーシスを誘発するシグナルを発生させることを示唆する結果である。この作用機序の発見により、これまで効能の低かったがん細胞などに対しても、粒子の性質を制御することによりアポトーシスを誘導できる戦略を提案することが可能となった。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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