研究課題/領域番号 |
19J02028
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
佐々木 海渡 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 先端材料解析研究拠点, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 水 / 水溶液 / ポリアモルフィック転移 / 分子ダイナミクス / 誘電緩和 |
研究開始時の研究の概要 |
水は4℃での密度極大など、物性物理学的な観点からは異常な液体であると認識されている。水の異常性は水が低温で2種類のアモルファス状態をもつことに由来するとの仮説が提案されている。2種類の状態の間での相転移はポリアモルフィック転移と呼ばれる。本研究では純粋な水といくつかの水溶液を用いて、2種類の純粋なアモルファス氷の分子運動の特徴づけ、ポリアモルフィック転移前後での水溶液中の水の分子運動の解明に取り組む。
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研究実績の概要 |
圧力範囲0~1.5GPa、温度範囲77~298 K、周波数範囲1 mHz~10 MHzの高圧力下誘電緩和測定装置を開発し、それを用いてアモルファス氷の緩和現象の観測、グリセロール水溶液の分子ダイナミックスの観測を実施した。 純粋なアモルファス氷、氷I、V、VIの誘電緩和スペクトルを測定した。アモルファス氷についてはHigh density amorphous ice (HDA)の誘電緩和を観測することができた。一方でLow density amorphous ice(LDA)の誘電緩和は観測されなかった。これは昇温でLDAが氷Iに転移してしまうためと考えられる。 濃度28~100 wt.%のグリセロール水溶液の誘電緩和スペクトルを0.3および0.6GPa、130~250Kの温度範囲で測定した。水溶液のガラス転移と関係している水とグリセロールの協同的な運動と水のローカルな運動を反映していると考えられる2つの緩和過程が観測された。協同的な運動の緩和時間が100秒になる温度としてダイナミックなガラス転移温度を定義した。得られたガラス転移温度の濃度依存性はGordon-Taylor式でよく再現することができ、グリセロール濃度0に外挿することで0.3および0.6GPaでの純粋な水のガラス転移温度を見積もることができた。 濃度28 wt.%のグリセロール水溶液の誘電緩和スペクトルを0~0.3GPa、140~156Kの範囲で詳細に調べ、グリセロール水溶液のガラス転移温度の温度圧力相図を決定した。この水溶液は150K付近ではおよそ0.15GPaより高圧側でHDAライクに、低圧側ではLDAライクになることがわかっている。得られた相図から、この水溶液のポリアモルフィック転移がガラス転移温度以上で起こること、つまり、液体-液体相転移の存在が示唆された。
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現在までの達成度 (段落) |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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