研究課題/領域番号 |
19J10447
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
井口 亜希子 筑波大学, 人間総合科学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
900千円 (直接経費: 900千円)
2020年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2019年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 聴覚障害 / 指文字 / 幼児 / 音韻意識 / ひらがな |
研究開始時の研究の概要 |
近年、幼児期の聴覚障害児のコミュニケーションにおいては、周囲の大人により音声言語とともに手指(手話や指文字など)が使用されることが多い。しかし、音声言語環境下での手指の使用が、幼児期の言語獲得にどのような影響を及ぼすのかについて、基礎的な研究が不足している状況にある。本研究では、語彙獲得やプレリテラシー形成への効果が期待される「指文字」に着目し、指文字の表出と音韻意識や文字意識などの諸発達との関連について検討を行い、幼児期の聴覚障害児の発達過程において、音声言語環境下で手指がどのような役割をもつかについて知見を得ることを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究では、聴覚障害児の発達経過における音声言語環境下での手指、とくに指文字の役割を、幼児期の指文字習得過程を踏まえて検討することを目的とした。聴覚障害児41名(年少13名、年中11名、年長17名)を分析対象とし、下記の検討を行った。 1)①指文字/平仮名1字音読課題、②手指版/文字版弁別課題の結果から、読み準備時期に各弁別課題が可能であるか検討した。その結果、文字版弁別課題は読字がない時期にも可能であった。一方、手指版弁別課題は、可読数の増加に伴い可能になり、読み準備時期には難易度が高いと考えられた。 2)①指文字/平仮名1字音読課題、③音韻意識課題の結果から、平仮名と比較した指文字1字読み習得過程および、音韻意識の発達との関係性の検討を行った。その結果、指文字1字読み(清音)は、平仮名と同様に年少時期の後半に読字数が増加し、年中時期におおむね完成した。ただし、年少時期では指文字を通して、文字音の学習が進み、その中で音韻意識の発達が促され、指文字・平仮名ともに1字読みの習得が促進される事例が存在すると考えられた。なお、各課題成績と聴力レベル等との関係性の検討は今後の課題である。 3)③音韻意識課題、④指文字表出課題の結果から、読み書きの前提とされる音韻意識の発達と、指文字の単語表出能力との関連性を検討した。月齢を制御変数とした偏相関分析の結果、指文字単語表出と、音韻意識課題の成績には正の相関が確認された。1字読みは可能であっても、音韻意識が未発達の場合には、指文字呈示語の理解が困難であることが予想され、留意する必要があった。 以上より、聴覚障害児において「指文字」は、文字音の学習、音韻意識の芽生え・促進の役割がある可能性があり、指文字の使用により音韻意識の発達や、後の語彙等の言語発達を促進させることが望まれる。以上の研究成果について、一部は学会発表及び学術雑誌への投稿を行った。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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