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第一原理計算によるハーフメタリックホイスラー合金の磁気励起特性

研究課題

研究課題/領域番号 19J10512
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
審査区分 小区分29010:応用物性関連
研究機関大阪大学

研究代表者

奥村 晴紀  大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2019-04-25 – 2021-03-31
研究課題ステータス 完了 (2020年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2020年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2019年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード第一原理計算 / スピン波 / ホイスラー合金 / ハーフメタル / GW近似
研究開始時の研究の概要

スピントロニクス分野では電子の電気と磁気の2つの自由度を利用する。ハーフメタル材料では伝導電子のスピンが揃った偏極電流が流れると予想され、これを利用したスピントロニクスデバイスでは従来のメモリに比べて省エネルギー化が可能となる。本研究で扱うホイスラー材料の多くはハーフメタル材料となると予想されているが、高精度な第一原理計算によってキュリー温度を予測した研究報告は少ない。本研究では、従来の方法を超える手法としてQSGWを用いて電子状態を高精度に計算する。得られた構造からキュリー温度を予測することで、室温においてもハーフメタル性を維持できる新たな材料を探索する。

研究実績の概要

本研究では、従来の局所密度近似(LDA)法による第一原理計算の手法を超えて、高精度な計算ができる準粒子自己無撞着GW(QSGW)法を用いた。強磁性材料の基底状態をQSGW法で計算し、それに基づきスピン波の分散関係を記述するためのコード開発をおこなった。また、最局在Wannier関数を用いて高速化した。これらは第一原理計算パッケージecaljに追加し、一部をGitHubで公開している。
計算精度について、Fe, Co, Niや強磁性金属フルホイスラー合金 Cu2MnAl, Ni2MnSn, Pd2MnSnのスピン波スティフネス定数が実験値を再現した。ハーフメタリックホイスラー合金Co2MnSi, Co2FeSiについて、QSGW法の結果がLDAのハミルトニアンにほとんど依存しない結果を得た。Co2FeSiの磁気モーメントは従来のLDAでは過小評価するのに対しQSGW法では実験値を再現した。混晶系Co2Mn1-xFexSiについても電子状態とスピン波を計算した。濃度依存性について、実験のダンピング定数から予想される状態密度とLDA,QSGW法の状態密度では傾向が異なった。この原因には計算の状態密度にスピン波を考慮していないことが挙げられ、計算でFe濃度が高くなるとスピン波が生成しやすくなる結果から定性的に説明できると考えられる。しかし、Co2FeSiのスピン波スティフネス定数が、温度依存性の実験値から得られる値よりも過小評価している問題があり、その原因については分かっていない。また、キュリー温度について動的磁気帯磁率が周波数ωに依存するため、従来の交換相互作用Jへの焼き直しなど必要だが、そのような理論フレームワークの構築には至っていない。
本研究は、局在磁性を含む未知ホイスラー合金について、QSGW法と開発したスピン波の計算コードの有効性を明らかにした点で意義がある。

現在までの達成度 (段落)

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(2件)
  • 2020 実績報告書
  • 2019 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件)

  • [雑誌論文] Electronic Structure and Spin-wave Dispersion of Cu2MnAl, Ni2MnSn, and Pd2MnSn Based on Quasi-particle Self-consistent GW Calculations2020

    • 著者名/発表者名
      Okumura Haruki、Sato Kazunori、Suzuki Katsuhiro、Kotani Takao
    • 雑誌名

      Journal of the Physical Society of Japan

      巻: 89 号: 3 ページ: 034704-034704

    • DOI

      10.7566/jpsj.89.034704

    • NAID

      210000158027

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Spin-wave dispersion of 3d ferromagnets based on quasiparticle self-consistent GW calculations2019

    • 著者名/発表者名
      Okumura H.、Sato K.、Kotani T.
    • 雑誌名

      Physical Review B

      巻: 100 号: 5 ページ: 1-11

    • DOI

      10.1103/physrevb.100.054419

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] QSGW法に基づく強磁性金属ホイスラー合金のスピン波計算2020

    • 著者名/発表者名
      奥村晴紀、佐藤和則、鈴木雄大、小谷岳生
    • 学会等名
      Spin-RNJ 若手オンライン研究発表会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] QSGW法に基づくスピン波の分散関係の計算2020

    • 著者名/発表者名
      奥村晴紀、佐藤和則、鈴木雄大、小谷岳生
    • 学会等名
      阪大CSRN主催「熱―スピン流・スピン波」研究会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] Spin-wave dispersion of Cu2MnAl, Ni2MnSn, and Pd2MnSn based on quasi-particle self-consistent GW2020

    • 著者名/発表者名
      Haruki Okumura, Kazunori Sato, Takao Kotani
    • 学会等名
      APS March Meeting 2020
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] QSGW法に基づく金属ホイスラー合金のスピン波スペクトル計算2019

    • 著者名/発表者名
      奥村晴紀、佐藤和則、小谷岳生
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] Spin-wave dispersion of 3d ferromagnets based on quasiparticle self-consistent GW calculations2019

    • 著者名/発表者名
      Haruki Okumura, Kazunori Sato, Takao Kotani
    • 学会等名
      ASIAN-22
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Spin wave dispersion of 3d ferromagnets based on QSGW calculations2019

    • 著者名/発表者名
      Haruki Okumura, Kazunori Sato, Takao Kotani
    • 学会等名
      Materials Research Meeting 2019
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
    • 国際学会

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公開日: 2019-05-29   更新日: 2024-03-26  

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