研究課題/領域番号 |
19J10648
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中村 幸太郎 北海道大学, 大学院工学研究院, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2019年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 乱流遷移 / 流れの安定性 / 混相流 |
研究開始時の研究の概要 |
希薄分散マイクロバブル流体に生ずる乱流遷移シナリオの解読には,流れにおける気泡群形成条件の特定と気泡群と流れとの相互干渉の理解が重要である.EinsteinやTaylorは流れ場に一様分布する気泡の効果をバルク実効粘度増加として表した.渦構造との相互干渉により集積した気泡が,流れの中でどのように応答・作用するかは明らかにされていない.気泡群が形成される条件およびそれに伴う流れの変調作用を解明する.それらを体系化された理論へと昇華させるため,相互干渉の効果を数理モデルに落とし込み,そのモデルを組み込んだ理論解析を実現する.実験結果との比較により整合性を取りつつ,数学的・物理的な矛盾を除去する.
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研究実績の概要 |
本課題では,希薄分散マイクロバブル流体に生じる乱流遷移シナリオの解読とその理論体系の構築を目的として,その土台となる2つの題材に対し研究を行った. 1つ目は,気泡対流である.この現象に対して理論解析を試みた.線形安定性解析により臨界条件と臨界固有関数が決定された.臨界固有関数はパラメーターにより全層または多層対流を示した.不安定化の機構を明らかにするため,エネルギー収支解析を行った結果,気泡に働く揚力が流れを安定化させることが分かった.この臨界固有関数を初期近似解としてその非線形分岐を追跡した.全層対流は亜臨界分岐,多層対流は超臨界分岐となった.エネルギー収支解析によると,全層対流の場合,気泡に働く揚力が非線形発展に伴い安定化効果から不安定化効果に切り替わった.一方で多層対流では,その効果は安定化効果を維持した.非線形発展にともない,これら両者の分岐曲線は折れ曲がり,複数の非線形解が存在することが示された.これは気泡対流に波数選択性が無いとする過去の結果を理論的に説明する成果である. 2つ目は,円管内乱流遷移過程において観察される孤立乱流塊(乱流パフ)である.乱流パフは自己維持機構を有しており,それは縦渦と低速ストリークから構成される.この流れの構造に対する微細気泡の運動・集積パターン,およびパフ発生の変調作用について実験および数値計算により調査した.希薄分散気泡流用にステレオPIVシステムを構築し,二相を同時に撮影した.その結果,二次元三成分の液相速度場と気泡群の可視化に成功した.管内を一様に分散する気泡は,乱流パフ発生の過程でパフが内包する縦渦に集積した.微細気泡の混入により,乱流パフの発生確率が急増する一方で,パフの発生に必要な撹乱強度には何ら影響を与えないことが分かった.つまり,流れが渦構造を持つことで初めて微細気泡の集積効果が発現し,流れの遷移過程に変調作用を与える.
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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