研究課題
特別研究員奨励費
低アスペクト比ポアの周囲に四重極電極を配置したデバイスを用いて、1個の粒子に対して捕捉→イオン電流計測による粒子形状分析のプロセスを繰り返すことで同一粒子についてイオン電流波形を多数回取得する。得られる結果を有限要素解析によるイオン電流シミュレーション結果と照合し、イオン電流応答における1粒子泳動ダイナミクスのバラつきの寄与を明らかにすると共に、電流波形から粒子形状を導出するプロトコルを構築する。以上より、数十 nm~数百 nmサイズの粒子をターゲットとした単一粒子形状解析法を創成する。
令和2年度は、四重極電極組込ポアデバイスを用いた1粒子検出時の課題となる、粒子が貫通孔(ポア)を通過する際の通過速度の最適化を目的に研究を行った。そのために、粒子のポア通過速度を反映するイオン電流シグナル幅の印加交流電圧周波数、粒子を分散するリン酸緩衝液(PBS)のpH及びイオン濃度への依存性を検討した。交流電圧周波数に関しては、印加する交流電圧が高周波数になるにつれてイオン電流シグナルの検出頻度が減少する傾向が見られた。これにより、高周波数下においては、粒子をトラップする際に四重極電極が形成する交流電場による誘電泳動力の効果が小さくなることが分かった。PBSのpHを変えた場合、粒子通過時におけるイオン電流シグナル幅へのpH依存性は、現状印加可能な電圧範囲においては、イオン電流シグナル幅の分布に大きな変化は見られなかった。一方、PBSの希釈率を変えてイオン濃度を調整した場合、イオン濃度が高くなるにつれてイオン電流シグナル幅が大きくなる傾向が得られた。この傾向は、各イオン濃度における粒子の表面ゼータ電位変化と一致する。今年度の結果から交流電圧印加時のイオン電流計測において、イオン濃度を調整することにより、交流電圧印加時の粒子の通過速度を反映するイオン電流シグナル幅が大きくなる傾向が得ることができた。これは、ポアを流れるイオン電流変化により観測できる速度範囲内に粒子の泳動速度を制御する上で重要な知見である。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2021 2020 2019
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)
ACS Applied Materials & Interfaces
巻: 13 号: 8 ページ: 10632-10638
10.1021/acsami.0c22548
巻: 12 号: 4 ページ: 5025-5030
10.1021/acsami.9b18444