研究課題/領域番号 |
19J11898
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分01020:中国哲学、印度哲学および仏教学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
渡辺 亮 東北大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
900千円 (直接経費: 900千円)
2020年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2019年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | インド密教 / 儀礼 / チャクラサンヴァラタントラ / クリシュナアーチャーリヤ / 究竟次第 / グヒヤタットヴァプラカーシャ / オーリチャトゥシュタヤ / ターラナータ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、インド密教において9世紀以降に登場するサンヴァラ系密教に関して、その実践的な儀礼の新たな側面を明らかにするために、儀礼文献の基軸となるサンスクリット写本を積極的に活用した批判的な検討によって、当時の社会的価値観や思想が多分に反映されていると考えられる同密教の儀礼がインド密教史の変遷と展開の中で重要な役割を担った可能性について言及するとともに、得られた結果を踏まえて錯綜したインド密教史を解明しようとするものである。
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研究実績の概要 |
今年度における主な研究成果は次の2点である: (1)今年度の課題である「クリシュナアーチャーリヤが構築した儀礼体系の伝統を明確化すること」を実現するため、彼が著した『グヒヤタットヴァプラカーシャ』及び『オーリチャトゥシュタヤ』を前年度に続いて取り上げ、先の研究成果に基づいて同文献の内容を中心に考究を行った。それにより彼の持つ「折衷的傾向」を明らかにすることができた。その成果の一部は1本の論文に纏めて公表した。 (2)今年度は新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、当初計画していた資料調査(国内)が行えず、加えて発表予定であった学術大会(印度学宗教学会)も中止になるなど、研究活動が厳しく制限された年となったが、上記の二文献を考究する過程において16-17世紀のチベット人であるターラナータが著した2点の注釈書(dGongs pa rab gsal及びgSang ba rab gsal)が重要であると気付かされたため、それらの読解を本年度の計画に加え、新たに研究を進めた。同書は、他に見られない逐語的且つ詳細な注釈書であるため、その分量は膨大で読解に相当の時間を費やさなければならなかったが、当初の時間と費用を同書の考察に充てることができた。この作業によって得られた成果は、1)同書に記載される『グヒヤタットヴァプラカーシャ』及び『オーリチャトゥシュタヤ』のチベット語訳異読テクスト(全文)の回収、2)同書に記載されるドクミ訳経官を始めとする人物らの手により翻訳された同二文献のチベット語訳異読テクスト(断片)の回収である。 これらを通して手に入れることができた情報はこれまで学界で確認されていなかった新しいものを含んでおり、この成果は本研究の底上げを果たすばかりでなく、学界へ大いに寄与し得ると思われる。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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