研究課題/領域番号 |
19J12115
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
麻生 浩平 九州大学, 工学府, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2019年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ナノ粒子 / 電子顕微鏡 / 格子ひずみ / 原子分解能観察 / 分子動力学計算 |
研究開始時の研究の概要 |
金属ナノ粒子は光学素子や触媒としての応用や研究が盛んに進められている。近年、それらの性能は2種類の金属原子の配置(規則構造)や原子間距離の変化(格子ひずみ)といった原子配列に影響されることが明らかとなってきたが、実際の原子配列に着目した研究はなかった。そこで本研究では、最先端の走査透過電子顕微鏡を用いて金属ナノ粒子の原子配列を直接観察し、さらに原子配列がどのような因子に影響されるか解明することを目的とした。材料性能向上を目指す多くの関連研究に対し、本研究は新たな視点から貢献しうるものと期待している。
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研究実績の概要 |
金属ナノ粒子が呈する触媒や光学などの機能発現・向上は,原子間距離の変化すなわち格子ひずみに依存することが知られている一方で,原子スケールでの材料解析は不足していた.そこで本研究では,最先端の走査透過電子顕微鏡を用いて金属ナノ粒子の原子配列を精密測定するとともに,理論物理計算を併せることで原子配列がどのような因子によって決定されるか解明することを目的としてきた. 申請者は金ナノロッドの原子配列解析によるこれまでの研究から,ロッドの両端に局所的な膨張ひずみが生じることを明らかにしていた.主に本年度は,その膨張ひずみの起源を明らかにするべく,経験的原子間ポテンシャルに基づく分子動力学計算を進めてきた.実験と同様なロッド形状と,回転楕円体形状に関して計算して結果を比較したところ,回転楕円体には金属表面に一般的な表面収縮が見られ,実験で観察された膨張ひずみはロッド形状に関する計算にのみ再現された.弾性異方性を示す金に対して比較的弾性等方な白金のポテンシャルを用いた計算においても同様に,ロッド状粒子にのみ膨張ひずみの傾向が見られ,弾性異方度は膨張ひずみの根源的な理由ではないことが分かった.ここで,計算に用いた原子模型について,回転楕円体の曲率は連続的に変化する一方で,ロッド形状のそれは先端部で急峻に変化する.したがってナノロッドに生じる膨張ひずみは形状効果に起因して発現すると結論づけられた.現在,以上の成果を論文としてまとめており,国際学術誌への投稿に向けて最終調整中である. 本研究とそのさらなる展開によって,金属ナノ粒子の機能を特徴づける局所構造に対する理解が深まり,材料研究に広く波及してその発展に貢献できものと期待している.
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現在までの達成度 (段落) |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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