研究課題/領域番号 |
19J12194
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
志賀 雅亘 九州大学, 工学研究院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2020年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2019年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 希土類化合物 / 価数揺動 / 価数秩序 / 重い電子系 / c-f混成 / 点接合分光法 / 点接合分光 |
研究開始時の研究の概要 |
重い電子形成にはスピン揺らぎが重要な役割を果たすことが知られているが、近年価数揺動を有する希土類物質でも重い電子的振舞いが発見され大きな注目を集めている。しかしながら、これまでの価数揺動系の実験は電気抵抗、比熱、磁化率などのバルク測定が中心に実施されてきたため、重い電子的振舞いの起源などは明らかになっていない。そこで本研究は、価数揺動系で観測された重い電子的振舞いを微視的に解明することを目的とし、点接合分光法を利用したEu、Yb化合物の電子状態測定を行う。
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研究実績の概要 |
価数揺動物質における重い電子状態形成の起源を明らかにするために、YbPd、EuNi2P2に注目して点接合分光実験を行った。その結果、それぞれの物質において、以下のような結果を得た。 価数揺動物質であるYbPdは、低温においてYb2.6+とYb3+が周期的に配置された構造(価数秩序状態)をとる。このYbPdの点接合分光分光実験の結果、微分伝導度信号(dI/dV信号)に非対称なバックグラウンドとゼロバイアス近傍のディップ構造が現れることが分かった。dI/dV信号は、フェルミエネルギー近傍の電子状態を反映する。そこで、この信号を理論計算を用いた解析をしたところ、異なる価数状態を持つYbサイト(Yb2.6+, Yb3+)が独立に近藤共鳴状態を形成しているという事が分かった。従って、YbPdの低温における特異な磁気特性や重い電子状態の起源は、異なる価数を持つYbサイトで独立に近藤共鳴状態が形成されることによって局所的な電子状態が変調されることに起因している可能性があることが分かった。 EuNi2P2は低温において重い電子状態や価数揺動状態(Eu2.5+)を示す希土類化合物である。EuNi2P2の点接合分光実験の結果からdI/dV信号は、ゼロ電圧近傍に非対称なダブルピーク構造を持つことが分かった。また、このダブルピーク構造が温度依存性を持つことも分かった。dI/dV信号の理論解析から、非対称なダブルピーク構造は、伝導電子とf電子の混成(c-f混成)によって形成された新たな混成バントに起因していることが明らかになった。従って、EuNi2P2の低温における価数揺動状態や重い電子状態の起源は、c-f混成によって新たな混成バンドが形成されることに起因している可能性があることが分かった。 これらの結果は、点接合分実験による電子状態測定が希土類化合物においても有用であるということを強く示唆している。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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