研究課題/領域番号 |
19J12275
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
林 凌 東京大学, 学際情報学府, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2020年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2019年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 消費者主権 / 消費者 / 統制経済論 / 消費組合論 / 歴史社会学 / 総力戦体制 / 社会思想史 / 社会運動論 / 商業学 / 消費組合 / 配給論 / 新体制運動 / 消費社会 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は「消費者」概念の分析を通じて、現代社会において顕著に見られる「消費者を志向」するという思想がどのような形で出現したのかを、主に近代日本を対象として考察するものである。 このために本研究では、1910-60年代に作成された資料体を以下の形で分析する。第一に経済・商業学者の言説より、統制経済をめぐる議論の中で「消費者」概念が国民として焦点化されたことを論じる。第二に、生協運動に参画していた運動家の言説より、戦中下に「消費者」概念に当事者概念としての意味が付与されたことを論じる。第三に、経営指導家の言説より、戦後の産業界にて「消費者への貢献」が上記議論を引きずる形で規範化されたことを論じる。
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研究実績の概要 |
本年度の研究実績については、下記のとおりである。 第一に、本研究課題の主たる目的であった、「消費者という経済主体の誕生と変容」を、近代日本の社会思想史・経済思想史を通じて描き出すことに成功した。具体的には、これまで取り組んできた戦間期日本における統制経済論と消費組合論に関する分析を、「消費者」概念の用法という観点から接合することで、戦後日本における「消費者主権」論の広範な広がりを説明することが可能になった。これは近年議論が積み重ねられてきた「総力戦体制」について、これまでとは異なる観点からその意義と問題点双方を示すものであり、また近代日本における社会思想・経済思想の展開を、独自の観点から論じるものでもある。なお、本研究については、書籍化が決定しており、2022年度中の刊行を目指している。 第二に、本研究課題の遂行を通じて、現代社会における経済現象を論じるための新たな視座を獲得することができた。特に本研究において、日本型「消費者主権」論の形成過程を理論的に位置づけるための枠組みとして、フーコーの統治性論を批判的に採用した結果、新自由主義思想と現代社会の関係性について、これまでにない観点からの議論を行うためのフレームワークを得ることが可能になった。このフレームワークを用いた現代社会に関する実証研究については、①POSシステムに代表される消費者需要の観測システムの拡大による、「消費者主権」をめぐる議論の布置の変容②新自由主義思想と近年の地域開発計画の論理の関係性、以上2点を中心として、2022年度以降積極的に遂行していく予定である。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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