研究課題/領域番号 |
19J12553
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
鈴木 龍汰 東京農工大学, 大学院工学府, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2019年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 界面流体力学 / 化学熱力学 / Korteweg力 / 流体力学不安定性 / Viscous fingering / 相分離 / 部分混和性 |
研究開始時の研究の概要 |
石油回収現場である地中では、石油を水で押し出し、回収している。また、地球温暖化の原因とされている二酸化炭素を地中に圧入して石油を押し出すこともある。このとき、石油と水、あるいは石油と二酸化炭素、二酸化炭素と水は、高温高圧な条件であるため、地上では混ざり合わないものどうしが部分的に混ざり合う。地中における部分的に混ざる流体どうしの押し出すメカニズムは、混ざらないものどうしのそれとは異なり、研究がほとんど進んでいないのが現状である。そこで私たちは、実験とシミュレーションの両面で、部分的に混ざりあう流体の押し出すメカニズムを解明し、効率よく石油を回収する方法を確立する。
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研究実績の概要 |
近年、石油回収プロセスでは石油回収効率向上のために原油を水や二酸化炭素で押し出す手法が考えられているが、この際、それぞれの物質はお互いにある割合で混ざるという部分混和系であることが示唆されている。この部分混和系での流体置換に関する研究は、本課題開始前の段階ではシミュレーションによる3報しか報告されていない。また、それらの研究では具体的にどういったことが起こりうるかよくわからないままであった。しかし、本研究を通して、部分混和系での実験を実施し、化学熱力学と流体力学が複合してパターンが形成されることを突き止めた。これをまとめて英語論文として投稿した。 さらに、以前に報告されていたシミュレーションでは説明できない現象であったため、本課題にて実験を再現するために新たにシミュレーションを確立した。そこでは、通常流体力学に起因する連続の式、運動方程式、化学種の保存式に、化学熱力学に起因するKorteweg力の項を導入することで、実験を再現しようと試みた。パラメータの選択を適切に行うことで、実験を再現できる結果を得ることができ、化学熱力学を考慮した界面流体力学のシミュレーションを確立できた。この研究結果は、化学熱力学と界面流体力学の学際領域であることから新たな学問分野の創出に寄与し、石油回収のさらなる効率化に向けた予測などに役立つものと考える。現在、本研究を英語論文として一流雑誌に投稿中である。 これらの結果を支持し、流体力学の観点から化学熱力学による相分離を制御したもの、化学熱力学の観点の1つであるエントロピー生成速度の観点から流体力学のパターンの遷移点を予測したもの、化学熱力学による界面不安定性をスケーリング則を用いて解析したものなど、より詳細に実験・観察・分析・考察し、それぞれ英語論文として投稿中である。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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