研究課題/領域番号 |
19J12597
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
秋山 敏毅 大阪大学, 薬学研究科, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2020年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2019年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | ナノ粒子触媒 / 鉄 / 鈴木-宮浦カップリング / C-Hアミノ化 / コンビナトリアル合成 / 創薬化学 / XAFS / TEM / 鉄(0)ナノ粒子 / リガンドフリー / 鈴木ー宮浦カップリング |
研究開始時の研究の概要 |
金属ナノ粒子担持触媒反応は金属漏洩量をごく微量に抑制できるため、化合物評価に影響を与えない合成法として期待されている。しかし、既存のナノ粒子触媒製造法では卑金属ナノ粒子触媒の調製は困難であり、当研究室独自のナノ粒子触媒製造法に適切な還元剤を用いれば、多様な金属ナノ粒子触媒の調製が可能になると考えた。 まず、強力な還元剤を新たに合成・使用し、理論的に卑金属ナノ粒子触媒を調製する。次に、鉄などの各種卑金属ナノ粒子触媒を用いた不活性結合活性化およびリガンドフリーを活かしたワンポット連続反応を開発する。最後に、開発した反応を生物活性物質の簡便合成法および医薬品候補化合物のライブラリー構築へ応用する。
|
研究実績の概要 |
筆者の所属する研究室では、新しい触媒の開発研究を行っており、硫酸修飾した金メッシュ(担持固体)とPd(OAc)2をキシレン中で加熱すると、自己組織的多層状にPdナノ粒子が担持した触媒SAPd (Sulfur-modified Au-supported Pd)が得られることを見出している。そこで、金属の酸化還元電位に基づいて適切な還元剤を加えれば調製困難なFeなどの卑金属ナノ粒子触媒の調製も可能になると考えた。 当研究室独自のナノ粒子触媒製造法に含ケイ素ピラジン誘導体を還元剤として用いることでFe(0)ナノ粒子触媒SAFe(0)を製造することに成功した。まず、X線吸収微細構造(XAFS)解析実験によってSAFe(0)上のFeの酸化状態を調べたところ、Fe(0)であることが明らかとなった。続いて、走査型電子顕微鏡(SEM)と透過型電子顕微鏡(TEM)を用いてSAFe(0)の立体構造を解析した。SEMでSAFe(0)表面を観察すると、均一に堆積物が存在していた。TEMでこの堆積物の断面を解析した結果、金メッシュ表面には6-10 nmのFe(0)ナノ粒子が多層状に堆積していることがわかった。 SAFe(0)は、従来のFe(0)ナノ粒子触媒では困難であった炭素-炭素結合を形成する鈴木-宮浦カップリングや炭素-窒素結合を形成する炭素-水素結合活性型アミノ化の高活性な触媒であることを明らかにした。SAFe(0)は10回以上再利用が可能である上に、これらの反応はいずれもリガンドフリーで進行し、反応液中のFe漏洩量をppmレベルまで減らすことも可能であった。本反応は単純なビアリール化合物の合成に限らず、多官能基を有する生物活性化合物の合成にも利用可能であることを示した。また、SAFe(0)を用いた2反応がリガンドフリーで進行することを活かし、2反応をワンポットで達成することにも成功した。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|