研究課題/領域番号 |
19J12874
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分37020:生物分子化学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
高橋 芳人 慶應義塾大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2020年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2019年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | アミド / ペプチド / ヒドロシリル化 / 求核付加反応 / ペプチド主鎖修飾 / イリジウム / シラン還元剤 / 官能基選択性 |
研究開始時の研究の概要 |
ペプチドは生体内で強い生物活性作用を示す半面、不安定性や凝集性から医薬品への応用は困難とされてきた。ペプチドが潜在的に有する医薬品としての欠点の克服に当たり、合成の途中で特殊アミノ酸を導入する研究や、分子内にペプチド等価体を組み込んだペプチドの合成研究等が盛んに取り組まれてきた。一方、本研究ではこの課題に対し、任意のアミド基選択的な変換により解決を試みる。すでに供給が確立されたペプチド医薬品を直接修飾できれば、迅速かつ効率的なスクリーニングが可能となる。
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研究実績の概要 |
ペプチド医薬品は活性や基質特異性の高さから新規創薬モダリティとして期待される反面、細胞膜透過性や生体内安定性等の低さから医薬品への応用が滞っている。これらの課題は、ペプチド主鎖の主構成要素であるアミド結合に由来するため、一部のアミド結合を他の官能基へと変換できれば機能性改善に繋がると考えた。そこで、ペプチド中の第三級アミドカルボニル基を選択的に修飾可能な還元的求核付加反応の開発に着手した。 目的の反応の開発には2つの課題がある。1つ目は官能基選択性である。ペプチドはアミドカルボニル基以外にアミノ酸側鎖に由来する水酸基、フェノール、インドール等の様々な官能基を有する。これらの官能基共存下でのアミドカルボニル基選択的な反応の開発にあたり、イリジウム触媒とシラン還元剤を利用した触媒的還元反応に着目した。本反応は、アミド基の高い配位力を駆動力に進行するため、高いアミド基選択性を示す。2つ目の課題は、アミド基間の選択性である。ペプチドはアミド結合の連続で構成されるため、特定のアミド基選択的な反応は難しい。そこで、ペプチド中のアミド基が主に第二級アミドで構成される点に着目し、第三級アミド選択的な反応を考案した。 第三級アミドは第二級アミドに比べて触媒に対する配位力が僅かに高く、触媒の反応性を配位子により調整することで第二級アミド共存下での第三級アミド選択的な反応の開発に成功した。選択的なヒドロシリル化後に求核剤を添加すると、エステル、アルキン、アルケン、ニトリル等の官能基が導入された化合物が得られた。これらの官能基は、医薬品合成において機能性分子導入の有用な足がかりとなる。開発した反応は高い官能基選択性を示し、Pro、Gly、Phe、Ser、Val、Thr、Trp、Asp等のアミノ酸を有するペプチドに対して適用可能であった。今後は、環状生理活性ペプチドに対して本反応の適用を試みる。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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