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自閉スペクトラム症者の“かわいい”感情に関する研究:教育実践効果に着目して

研究課題

研究課題/領域番号 19J12908
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
審査区分 小区分09060:特別支援教育関連
研究機関九州大学

研究代表者

大野 愛哉  九州大学, 人間環境学府, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2019-04-25 – 2021-03-31
研究課題ステータス 完了 (2020年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
2020年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2019年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
キーワード自閉スペクトラム症 / 発達障害 / かわいい / ベビースキーマ
研究開始時の研究の概要

“かわいい”という認知には、集中力の向上、ネガティブな感情の抑制・他者とのコミュニケーションの促進など、様々な効果があることが先行研究によって示されている。本研究では、上記のような“かわいい”の効果が発達障害(自閉スペクトラム症)者においても見られるのかについて、認知課題の成績・感情統制の促進効果・コミュニケーションの円滑化効果という3つの観点から明らかにすることを目的としている。これらを明らかにすることにより、“かわいい”の発達障害者支援への適用可能性を示し、より豊かな支援につなげることを目指す。

研究実績の概要

【研究Ⅰ:自閉スペクトラム症(ASD)者の“かわいい”の定義・機能】 定型発達(TD)者が人や動物の赤ちゃんといったベビースキーマ(baby schema)を”かわいい”対象としていた一方で,ASD者はアニメキャラクター等を“かわいい”対象として挙げることが多かった。また,ASD者独自の“かわいい”の機能として,かわいい対象物を媒介としたコミュニケーションの促進機能および,かわいい対象物が日常生活を助けてくれるといった精神的健康度の向上機能が得られ,ASD者のコミュニケーション支援や心理支援に“かわいい”を適用できる可能性が示唆された。
【研究Ⅱ:ASD者の“かわいい”が視覚探索課題のパフォーマンスに与える影響】 TD者で報告されている“かわいい”が視覚探索課題のパフォーマンスを向上させるという知見について,ASD者で追試を行った。その結果,ASD者の中でも興味関心の限局性といった診断基準B(DSM-5, APA)の特性が高いASD者は自身が“かわいい”と思う対象物を見た際の視覚探索課題のパフォーマンスが向上することが示唆された。
【研究Ⅲ:ASD者の“かわいい”がコミュニケーションおよび認知課題遂行に与える影響】 研究Ⅰ・Ⅱを受け,ASD者において“かわいい”がコミュニケーションおよび認知課題遂行に与える影響について個別事例から検討を行った。その結果,“かわいい”には対人関係における洞察,場面の認知・状況理解,一般的な視点の獲得といったコミュニケーション上の機能があることが示唆された。また“かわいい”は気分を向上させ,その結果認知的な課題に対する行動始発を促す,過集中を抑制するといった認知課題遂行上の機能もあることが考えられ,“かわいい”の臨床的・教育的支援の活用の可能性が示唆された。

現在までの達成度 (段落)

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(2件)
  • 2020 実績報告書
  • 2019 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022 2021 2020 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] “かわいい”に関する研究動向 : 対象の属性・感情・認知からみた自閉スペクトラム症者支援への適用可能性に着目して2021

    • 著者名/発表者名
      大野 愛哉、田中 真理
    • 雑誌名

      九州大学心理学研究

      巻: 22 ページ: 1-9

    • DOI

      10.15017/4372159

    • NAID

      120007001029

    • ISSN
      1345-3904
    • 年月日
      2021-03-15
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 自閉スペクトラム症者の“かわいい”の認知:ベビースキーマへの視線に着目して2021

    • 著者名/発表者名
      大野愛哉,田中真理
    • 雑誌名

      発達心理学研究

      巻: 32 ページ: 68-78

    • NAID

      40022641777

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] The Effect of kawaii on task performance: Viewing cute images without baby schema2020

    • 著者名/発表者名
      Ohno, Aikana, Tanaka, Mari
    • 雑誌名

      九州大学心理学研究

      巻: 21 ページ: 15-22

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 自閉スペクトラム症者における“かわいい”が 視覚探索課題パフォーマンスに与える影響2022

    • 著者名/発表者名
      大野愛哉・田中真理
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第60回大会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] 自閉スペクトラム症者の“かわいい”認識:ベビースキーマを見る時の視線に着目して2019

    • 著者名/発表者名
      大野愛哉・田中真理
    • 学会等名
      日本発達心理学会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] 自閉スペクトラム症者の失言検出に関する研究(1) :日本人における Faux pas 漫画課題を用いて2019

    • 著者名/発表者名
      大野愛哉・上野麻衣・横田晋務・田中真理.
    • 学会等名
      日本特殊教育学会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書

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公開日: 2019-05-29   更新日: 2024-03-26  

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