研究課題
特別研究員奨励費
本研究では、雄性ゲノム(配偶子)由来の父性因子群によるイネ受精卵の発生制御機構の解明に取り組む。これまでの研究で同定されたイネ受精卵(配偶子融合後約4時間)内で父性アリル依存的に発現する23遺伝子のうち、転写因子をコードする5遺伝子を標的遺伝子として機能解析を行う。また、受精卵の初期発生ステップ(融合後0-4時間)においても雌雄配偶子の機能差の存在が示されていることから、精細胞から持ち込まれるRNA・タンパク質にも焦点をあて、植物受精卵発生の開始・進行を司る鍵因子を探索・特定することで、雌雄配偶子が融合後どのように協調的に働き、受精卵発生が進行するのかという分子基盤の一端の解明を目指す。
受精卵発生過程においては、卵細胞から受精卵への変換に伴う卵(受精卵)の活性化や雌雄配偶子由来因子の活性化あるいは不活性化、新規遺伝子発現の開始など、細胞内でダイナミックな変化が起きていると考えられる。本課題では、受精卵の初期発生過程における遺伝子発現制御やその分子基盤の一端の解明を目的とし、本年度は主に下記の2項目について研究を実施した。(1)イネ受精卵の最初期発生過程における遺伝子発現変動および父母因子の発現プロファイル:イネ配偶子および受精卵を対象とした1細胞トランスクリプトーム解析系の基盤を構築し、配偶子融合後から雌雄核合一完了までの最初期発生過程の受精卵の網羅的かつ経時的な遺伝子発現解析を進めた。また、受精卵の最初期発生過程で発現変動を示す遺伝子群について、それら発現のアリル依存性を明示するため、ジャポニカ品種の日本晴とインディカ品種のカサラスの配偶子融合により作出した交雑受精卵を用いた同様のトランスクリプトーム解析に取り組んだ。(2)微量サンプルからのDNAライブラリーの調製および解析:イネ配偶子や受精卵といった微量試料を用いたエピゲノム解析に向けて、DNAライブラリーの調製・解析を試みた。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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