研究課題/領域番号 |
19J12955
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
日比 敬太 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2020年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2019年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | tRNA / 修飾塩基 / 無細胞蛋白質合成系 |
研究開始時の研究の概要 |
tRNAの修飾塩基には似た分子骨格を持つが細部の構造が微妙に異なる修飾塩基が数多く存在す る。本研究の目的は、無修飾tRNAによる蛋白質合成系に修飾塩基を導入し、翻訳過程における 修飾塩基の機能を明らかにすることである。本研究ではmnm5s2Uと呼ばれる様々な中間体を経て合成される修飾塩基に着目し、この修飾がtRNAに付与する機能の生化学的な観察を目指す。また、中間体を含めて解析することで分子構造と翻訳における機能の対応付けを図る。
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研究実績の概要 |
tRNAはさまざまな修飾塩基を持ち、それらの手助けを受けてその機能を効率的に果たしている。本研究では、修飾塩基を一切持たない試験管内転写tRNAによるタンパク質合成系を基に、特定のtRNAに単一の修飾塩基を導入し、その機能動態を解析することでこれまで明らかでなかった修飾の機能を明らかにすることを目指した。 本年度は、昨年度修飾導入系の確立が行えなったs2Uの導入条件検討および導入したtRNAの機能評価を行った。まず、Sulfur-relay systemを構成する5つの酵素群とIscS、MnmAの7つの酵素群からなる修飾導入系を構築した。その結果、Lys-tRNA(UUU)ではs2Uはアミノアシレーション効率に大きく影響を及ぼさないが、Glu-tRNA(UUC)ではs2Uの導入によってAcceptanceが10倍程度まで向上することを見出した。 また、詳細にデコーディング過程が解析できるペプチド合成評価系の構築を試みた。従前の系は、アミノアシル化効率の低いIle-tRNA(GAU)を大量に必要とし、Ile-tRNAが律速である定性的なものであった。そこで、ペプチド配列の検討を行い、Ileを用いず安定的にTCA沈殿によって定量できる合成系を構築した。この系では評価しないコドンに対応するtRNA必要量が従来の1/10以下で律速ではなくなり、より詳細な解析が可能であると期待された。一方で、評価したいtRNAに対応するアミノ酸種によって沈殿効率が変化してしまう課題も見出され、その検討も進めた。 一方で、2020年度上半期で終了した本研究はCoVID-19流行の影響を大きく受けた。放射線管理区域の閉鎖により第一四半期は全く実験が行えず、第二四半期に進展があったものの構築した系を用いた評価は積み残しになってしまった。今後、評価を進め、修飾塩基の機能が定量的に理解されることが期待される。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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