研究課題/領域番号 |
19J13415
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
相原 希美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2020年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2019年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 尿路癌 / 免疫複合体 / エピトープ / 質量分析 / 架橋剤 / イムノコンプレキソーム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、尿路癌の簡便な尿診断法の開発を目的として、尿路癌患者の尿中の免疫複合体抗原を高感度に定量できる汎用性の高い検査法を開発する。具体的には、尿路癌患者の尿中に特徴的に検出される免疫複合体抗原からエピトープ(抗体が認識する抗原上のアミノ酸配列)を独自の解析法により特定し、その情報をもとに尿中の免疫複合体抗原を定量可能なELISA法を構築する。 さらに、尿路癌の病態解明を念頭に、尿中免疫複合体抗原のエピトープの翻訳後修飾解析を行い、喫煙による体内のタンパク質のニトロ化などの異常な翻訳後修飾の有無を調べ、がんの病態発現との関連性や悪性度との相関について調べる。
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研究実績の概要 |
尿路癌は尿路系で最も頻度の高いがんで、浸潤を起こしやすいという特徴がある。しかし、がんの悪性度や予後を示す有用なマーカーは現時点で見つかっていない。我々は、体液中の免疫複合体を一斉に解析する独自の手法により尿路癌、尿路感染症、尿路結石、健常人の尿中の免疫複合体を解析し、尿路癌のマーカーとして有用な免疫複合体抗原 (ceruloplasmin) を特定した。そこで本年度は、尿路癌の簡便な尿診断法 (ELISA法) の開発を目指し、①免疫複合体抗原のエピトープ特定法の構築に取り組んだ。また、尿路癌の病態解明を目的としてタンパク質の異常な翻訳後修飾に着目し、②免疫複合体抗原の異常な翻訳後修飾の解析に取り組んだ。 ①では、架橋質量分析法 (架橋剤を用いてタンパク質複合体を架橋し、酵素消化後の架橋ペプチドの質量を分析することでタンパク質の相互作用を解析する手法) を使って、あらかじめエピトープが分かっている抗原とその抗体により作製した免疫複合体から既知のエピトープを特定できるか検証実験を行った。その結果、既知のエピトープ近傍のペプチドを同定でき、本法がエピトープ特定法として有用であることが示された。現在、より精度高くエピトープを特定するために手法の最適化に取り組んでいる。今後は、構築したエピトープ特定法を用いてceruloplasmin のエピトープを特定し、診断法を開発する。 ②では、尿路癌の原因の1つとして報告される喫煙に着目し、タバコの煙に含まれる窒素酸化物によるタンパク質の異常な修飾 (ニトロ化) の有無を患者の尿中免疫複合体から調べた。その結果、患者の尿中の免疫複合体からニトロ化されたタンパク質は複数同定されたものの、喫煙群と非喫煙群で検出頻度やタンパク質の種類には差がなく、ニトロ化と喫煙の有無は関連がないことがわかった。今後は他の修飾についても調べていく。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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