研究課題/領域番号 |
19J13470
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
房 知輝 北海道大学, 獣医学研究科, 特別研究員(DC2)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2019年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | ミトコンドリア形態 / 放射線 / カルシウム / Drp1 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでに我々は、ミトコンドリア分裂制御タンパク質Drp1が放射線によるミトコンドリア断片化ならびに細胞死に寄与することを明らかにしてきた。そこで、申請者は、形態変化を通じて制御されるミトコンドリア機能の変化が放射線感受性を修飾しているのではないかという仮説を立てた。 本研究では、in vitroおよびin vivoにおいて、Drp1をはじめとした複数の制御因子を通じ調節されるミトコンドリア形態がどのように放射線感受性を修飾するのかを解明することを目的とし、ミトコンドリア機能変化を中心に解析する。これにより、放射線増感の新たな標的としてミトコンドリアがその候補となりうるのか評価する。
|
研究実績の概要 |
ミトコンドリアの形態変化を通じて制御される機能変化が放射線感受性を修飾しているのではないかと考え、複数のミトコンドリア形態制御因子に着目し、これが細胞の放射線感受性に与える影響ならびに、その感受性変化メカニズムを明らかにすることを目的にin vitroレベルでの検討を行った。ミトコンドリア形態制御因子を安定的にノックダウンしたマウス乳がん由来EMT6細胞を作出し、放射線感受性を評価したところ、ミトコンドリア分裂制御因子であるDrp1およびFis1 KD細胞では放射線感受性が有意に低下していた一方で、ミトコンドリア融合制御因子であるMfn2およびOpa1 KD細胞では感受性に変化はなかった。このことから、放射線による細胞死にはミトコンドリア分裂が重要であることが示唆された。そこで、Drp1およびFis1 KD細胞で観察された感受性の変化を引き起こすメカニズムを明らかにすることを試みた。その結果、Drp1およびFis1 KDは分裂期崩壊による細胞死を一部抑制した。さらに、Ca2+キレート剤のBAPTA-AM処理による放射線照射後の分裂期崩壊を低減したことから、Ca2+が分裂期崩壊誘導に寄与していることが示唆された。さらに、X線照射が細胞内[Ca2+]iに与える影響を評価したところ、放射線が細胞内[Ca2+]iを増加させる一方で、ミトコンドリア分裂の抑制がこの増加を抑制することが明らかとなった。まとめると、放射線照射後にミトコンドリア分裂が亢進することで細胞内[Ca2+]iが増加し、これが分裂期崩壊の誘導に寄与することが示唆された。本年度の研究実施によりin vitroでのミトコンドリア形態変化を介した細胞死を修飾するミトコンドリア機能変化を明らかにすることができた。
|
現在までの達成度 (段落) |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|