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RNA編集による神経軸索再生制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19J14097
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
審査区分 小区分43010:分子生物学関連
研究機関名古屋大学

研究代表者

清水 達太  名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2019-04-25 – 2021-03-31
研究課題ステータス 採択後辞退 (2020年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2020年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2019年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード線虫 / 神経軸索再生 / JNK型MAPK経路 / HGF / プラスミノーゲン / シチジンデアミナーゼ / RNA編集
研究開始時の研究の概要

神経軸索再生は種を超えて保存された機構だが、詳細は不明な点が多い。線虫C. elegansにおいて分泌因子SVH-1は、増殖因子として受容体を介して軸索再生を制御するだけでなく、プロテアーゼとして受容体非依存的に幼虫の生育を制御する。しかし、SVH-1が軸索再生を制御するためにはSVH-1のプロテアーゼ活性が不活性化される必要があるが、そのメカニズムは不明であった。本研究ではこの制御因子としてRNA編集酵素であるシチジンデアミナーゼSVH-17に着目し、SVH-17がどのようにSVH-1のプロテアーゼ活性を不活性化し、軸索再生を制御するのか解明を目指す。

研究実績の概要

神経軸索再生は線虫から哺乳動物まで種を超えて保存された機構であるが、その詳細にはまだ不明な点が多く残されている。線虫C. elegansでは、分泌因子SVH-1が頭部神経から分泌され、増殖因子として受容体チロシンキナーゼSVH-2を介してJNK型MAPK経路を活性化し神経軸索再生を制御する。また、SVH-1はプロテアーゼとして受容体非依存的に幼虫期の生育も制御する。そのため、SVH-1が増殖因子として神経軸索再生を制御するためにはプロテアーゼ活性が不活性化される必要があるが、そのメカニズムは不明であった。本研究ではSVH-1機能変換の制御因子として、シチジンデアミナーゼSVH-17に着目した。まず、SVH-17が神経軸索再生に関与することを見出し、SVH-1 -SVH-2経路で機能することを明らかにした。次にSVH-17は切断神経でなく、svh-1が特異的に発現する頭部神経で機能することを明らかにした。さらに、svh-17変異体の軸索再生率低下はSVH-1のプロテアーゼ活性に必要な触媒三残基の1つであるHis-755(CAU)をチロシン(UAU)へ置換したsvh-1(H755Y)の発現で抑圧されることを明らかにし、実際にsvh-1 mRNAでHis-755をコードするC2263が低頻度にUへ変換されることを示した。興味深いことにC2263周辺はステムループ構造を形成する。この構造にアミノ酸が変化しないように変異を導入したところ、svh-1変異体の幼虫致死の表現型はレスキューしたのに対し、軸索再生率低下はレスキューしなかった。ここでさらにHis-755をチロシンへ置換することで、軸索再生率低下はレスキューされ、幼虫致死の表現型はレスキューしなかった。加えて、svh-17は幼虫期では発現せず、成虫期で発現するようになることを示した。以上の結果から、SVH-17は成虫期にsvh-1 mRNAのC2263周辺のステムループ構造を認識し、C2263を特異的にUへ変換することでSVH-1のプロテアーゼ活性を不活性化し、神経軸索再生を制御することが示唆された。

現在までの達成度 (段落)

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

今後の研究の推進方策

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

報告書

(1件)
  • 2019 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Factors regulating axon regeneration via JNK MAP kinase in Caenorhabditis elegans2020

    • 著者名/発表者名
      Shimizu Tatsuhiro、Hisamoto Naoki
    • 雑誌名

      The Journal of Biochemistry

      巻: - 号: 5 ページ: 433-439

    • DOI

      10.1093/jb/mvaa020

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] N-Glycosylation of the Discoidin Domain Receptor Is Required for Axon Regeneration in Caenorhabditis elegans2019

    • 著者名/発表者名
      Shimizu Tatsuhiro、Kato Yuka、Sakai Yoshiki、Hisamoto Naoki、Matsumoto Kunihiro
    • 雑誌名

      Genetics

      巻: 213 号: 2 ページ: 491-500

    • DOI

      10.1534/genetics.119.302492

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] C. elegans Tensin promotes axon regeneration by connecting the Met-like SVH-2 and integrin signaling pathways2019

    • 著者名/発表者名
      Tatsuhiro Shimizu, Kazuma Asai, Yoshiki Sakai, Strahil Iv. Pastuhov, Hiroshi Hanafusa, Kunihiro Matsumoto and Naoki Hisamoto
    • 学会等名
      22nd International C. elegans Conference
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] C. elegans F-box protein SVH-24 activates axonal injury-induced gene expression by degrading Mad transcription factor2019

    • 著者名/発表者名
      Tatsuhiro Shimizu
    • 学会等名
      線虫研究の未来を創る会2019
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] 線虫C. elegansのF-boxタンパク質SVH-24はMad転写因子の分解により軸索切断依存的な遺伝子発現を活性化する2019

    • 著者名/発表者名
      Tatsuhiro Shimizu, Yasuko Todoroki, Hiroshi Hanafusa, Yoshiki Sakai, Strahil Iv. Pastuhov, Kunihiro Matsumoto and Naoki Hisamoto
    • 学会等名
      第42回日本分子生物学会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書

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公開日: 2019-05-29   更新日: 2024-03-26  

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