研究課題/領域番号 |
19J14469
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石川 典子 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2020年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2019年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | アンドレ・マルロー / 不可知論 / ヒューマニズム / マルロー / 悲劇性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、アンドレ・マルローにおける人間のイメージの変遷を追うことで、マルローにおける人間と超越的なものの関係を解明し、これを思想・文学史的文脈において考察することである。マルロー自ら「悲劇的ヒューマニズム」と名付ける彼の人間の問いが、いかにして定立され、晩年に「束の間の人間」というイメージに結実していったのかを、文明論、小説作品、芸術論、政治的言説などの多岐にわたるテクストの内在的読解を通じて考察していく。
|
研究実績の概要 |
本研究は、『束の間の人間と文学』というマルローの遺作に焦点を当て、マルローが追求した「人間」 に関する問題のその射程の広さを視野に入れながら、「束の間の人間」というイメージの解明を試みるものである。本年度は、マルローと不可知論についての理解を深める一年となった。「不可知論」という19世紀になって現れた比較的最近の思想をめぐって、その歴史的背景を整理することで、不可知論者としてのマルローを、20世紀ヨーロッパの思想史的文脈の中に位置付け、その現代的意味を明らかにすることができた。 本年度はさらに、NRF誌を通じて交流があり、マルローの歴史観に多大な影響を与えたと考えられる哲学者ベルナール・グレトュイゼンについて、彼の著作や論文の精読を進めた。マルローの芸術論における非編年的な歴史観に関しては、これまで多くの研究が発 表されてきたが、こうした観点がいかにして獲得されたのかについては、あまり言及されてこなかった。そのことから、グレトゥイゼンを経由してディルタイの「歴史的理性批判」や「生の哲学」の立場が、マルローの歴史観にどのように反映されているのかについて研究を進めた。これらの研究は、マルローの歴史に対する不可知論的な立場を明らかにする上で、重要な論点であると思われる。 以上の研究成果は、現在提出準備中の博士論文の一部として執筆しており、近年中に発表を予定している。また、研究成果としては、2019年度におこなった国際シンポジウムでの口頭発表が共著書籍の一論文として刊行された。同論文は、フランス語版がClassiques Garnier社より刊行予定であり、現在最終原稿を出版社に返送した状態である。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|