研究課題/領域番号 |
19J14494
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
河出 来時 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2020年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2019年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 抗体医薬 / 抗体改変技術 / 安定化技術 / 計算科学 / 分子シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
「高性能ながら医薬への応用が未だに困難なウサギ抗体を用いて、標的の特定残基のリン酸化を見分ける抗体医薬を開発すること」を最終目標とし、その実現に向け、2つの研究を行う。 ウサギ抗体の解析とヒト化: ウサギ抗体の物性や構造の解析を行い、抗体固有の特徴を抽出する。抽出した中で、特にウサギ抗体の機能に重要である特性を、ヒト化の際にも維持させ、機能を最大限に高めたヒト化ウサギ抗体を作製する。 抗体の標的認識機構の解析と設計: ウサギ抗体のリン酸基認識機構について、構造解析、変異導入解析、計算科学解析を通じて、標的認識機構を原子レベルで解明し、親和性と選択性を向上させるための抗体設計指針を提案する。
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研究実績の概要 |
抗体医薬の安定性は今なお重要な課題である。本年度では、上市済み抗体医薬・および未上市のヒト抗体について、ウサギ抗体由来のジスルフィド結合を導入することで安定性を向上させることを試みている。結果として、6つのヒト抗体全ての熱安定性の向上に成功した。更に、分子動力学計算により、その向上機構の由来を分子の挙動レベルで解明することに成功した。 一般に、抗体の安定性向上手法は各論に陥りやすく(抗体毎に有効な安定化の手法が異なる)、本手法のように、広く全てのヒト抗体に適応ができる安定性向上手法は極めて有用であると考えられる。以上から、本研究では抗体医薬に広く適用可能な、新規の熱安定性向上手法を開発することに成功した。 また、次世代の医薬の標的として、特定残基のリン酸化など、翻訳後修飾特異的な抗体が注目されている。本年度では、ガン特異的に観察されるSer493のリン酸化を検出するウサギ抗体(A4とC7)のリン酸基認識機構について、分子動力学計算と変異導入解析を行い、認識挙動を原子レベルで明らかにしてした。 結果として、A4は抗原のリン酸基を広い残基数で受けて複数の遷移結合状態を形成し、C7は4つの残基で1つの安定した結合状態を形成することが明らかとなった。A4とC7は検出試薬として異なる性能を示しており(A4よりもC7の方がリン酸基選択性は高く、抗原親和性はA4の方が高い、試薬としてはC7の方が検出感度が高い)、そうした性能の違いの由来が、このリン酸基認識挙動の違いに由来するものであると考えられる。 以上の結果は、ウサギ抗体が、創出したい親和性と選択性によって異なる戦略を取ることを示唆しており、抗体の分子設計の指針の構築に繋がる内容である。
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現在までの達成度 (段落) |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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