研究課題/領域番号 |
19J14508
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
内原 脩貴 慶應義塾大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2019年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | NPM-ALK / 核小体 / Ebna1bp2 (EBP2) / p53 / Akt / mTORC1 |
研究開始時の研究の概要 |
未分化大細胞リンパ腫の原因遺伝子産物である融合タンパク質キナーゼNPM-ALKは、強力な形質転換能を示すが、NPM-ALKによる発がん機構には不明な点が多い。これまでに私は、NPM-ALKがキナーゼ活性に依存して核小体に局在し、リボソームRNAの生合成を制御する分子であるEBP2やDDX21と結合していることを明らかにしている。本研究では、NPM-ALKの細胞内局在の制御機構を解析すると共に、核小体におけるEBP2やDDX21を介したNPM-ALKの機能を解明することにより、未分化大細胞リンパ腫の発症機序を理解することを目指す。
|
研究実績の概要 |
未分化大細胞リンパ腫の原因遺伝子産物である融合型チロシンキナーゼNPM-ALKは、細胞質だけでなく核小体にも局在するが、核小体に局在するNPM-ALKの機能は不明である。これまでに私は、NPM-ALKがキナーゼ活性に依存して、核小体に局在することを見出した。さらに、核小体におけるNPM-ALKの結合分子として、リボソームRNA生合成に関与する分子であるEbna1bp2 (EBP2) を同定した。本研究では、NPM-ALKによる形質転換におけるEBP2の役割を解析し、核小体に局在するNPM-ALKの機能を明らかにすることを目指した。 抗pY抗体を用いたIP-IBにより、NPM-ALKがEBP2のチロシン残基をリン酸化することが示唆された。RNA干渉法によるEBP2のノックダウンは、NPM-ALK発現細胞の細胞周期をG0/G1期で停止させ、増殖を抑制した。さらに、EBP2のノックダウンにより、p53の活性化が誘導されることを見出した。EBP2のp53活性制御機構を明らかにするために、まず、EBP2がNPM-ALKによるシグナル伝達に及ぼす影響を検討した。NPM-ALK発現細胞において、EBP2のノックダウンによりAktのリン酸化が亢進することを見出し、Aktが過剰に活性化していることが示唆された。Akt阻害剤GDC-0068およびAktの下流分子であるmTORC1の阻害剤Rapamycinを用いた解析により、EBP2のノックダウンによるp53の活性化は、AktやmTORC1を介していることが明らかとなった。したがって、核小体に局在するNPM-ALKは、EBP2と相互作用することで、Akt-mTORC1経路の過剰な活性化を抑制し、p53の活性を負に制御することが示唆された。 以上の成果は、これまで不明であった核小体NPM-ALKの機能の理解を大幅に進めるものであると考えられる。
|
現在までの達成度 (段落) |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|