研究課題/領域番号 |
19J14801
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
松木 啓一郎 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2019年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 電解質 / 発光ポリマー / 電気化学発光セル / 分布帰還型共振器 / 顕微分光 |
研究開始時の研究の概要 |
Light-emitting electrochemical cell (LEC)は、食塩水などとして知られる電解質と発光ポリマーの混合薄膜を、2つの電極によって挟み込むだけで作製可能な発光素子である。 レーザー素子やフレキシブル素子、プリンタブル素子といった従来は単一の機能として確立されていた技術を、簡便な作製が可能なLECに対して同時に導入・実現可能であると考えられる。本研究では複合機能LECの実現を目指す。具体的には、まず共振器構造の導入によるレーザーLECを実現する。そして共振器を導入したLECに対し伸縮性を導入することで、伸縮率の制御による波長可変レーザーLECの開発に取り組む。
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研究実績の概要 |
発光材料と電解質からなり、簡便に作成可能な発光素子である電気化学発光セル(LEC)において、1.パルス電圧測定系における分布帰還型共振器(DFB)構造を導入したLECの評価と2.顕微ラマン分光法を用いたLECの素子特性評価、そして3.様々な発光ポリマー試料を用いたLECの作製・評価の3点に取り組んだ。 1について、基板上へ電極を蒸着し、電極間へDFB構造を導入した。その後基板上へ発光ポリマーF8T2とイオン液体の混合薄膜を成膜することで、面内型のLECを作製した。光励起光を評価すると、電極間においてレーザー発振に特徴的な発光スペクトルの先鋭化と強度増大を観測した。次に電流励起光の評価を試みると、F8T2のバンドギャップに相当する電圧(2.8V)にて、DFB構造による効果を示唆する発光スペクトルの先鋭化を観測した。しかし、レーザー発振は観測されなかった。この時、4V以上において電流密度が増大していないことに着目し、パルス駆動(0.5ms)による電圧印加(3-30V)を試みると、電流密度の増大が観測された。より短パルス・高電圧による駆動方法を導入しつつ、素子へ伸縮性を導入することで、今後世界初のLECによる波長可変レーザー発振が期待される。 2について、LECを顕微ラマン分光法によって評価し、詳細な駆動原理の理解を試みた。電圧印加時における電極間のラマン分光特性を評価することで、空間的なキャリアドーピング濃度分布の評価に成功した。 3について、フルオレン系ポリマーPIFL-BTや、ドナーアクセプター型ポリマーPTII-DTなどを用いてはじめてLECを作製した。さらに、電圧印加による発光を観測し、試料がLECへ適用可能であることを示した。 以上から、LECに対し、構造制御や顕微分光法、様々な発光材料の適用により、機能性発光デバイス開発や駆動原理の解明、材料開拓の可能性を見出した。
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現在までの達成度 (段落) |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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