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力学場から細胞活動へのフィードバックを考慮した組織形態形成の連続体力学モデリング

研究課題

研究課題/領域番号 19J14843
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
審査区分 小区分18010:材料力学および機械材料関連
研究機関京都大学

研究代表者

竹田 宏典  京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2019-04-25 – 2021-03-31
研究課題ステータス 完了 (2020年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
2020年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2019年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
キーワードバイオメカニクス / 生体組織 / 形態形成 / 組織成長 / 脳発生 / しわ形成 / 連続体力学 / 有限要素解析 / 固体力学 / ロバストネス / 成長 / 細胞収縮 / エネルギー地形
研究開始時の研究の概要

多細胞生物の発生において,生体器官が形作られる形態形成の過程では,細胞の増殖,収縮,移動といった細胞活動を通じて,多細胞組織が自律的に力を発生させて変形し,秩序だった構造を有する器官を構築していく.組織変形の駆動力となるのは,組織を構成する細胞が生み出す力であり,その作用は組織に応力場やひずみ場などの力学場を生む.同時に,細胞は力学場からフィードバックを受け,場の情報に応じて自身の活動を調整することが知られている.本研究は,形態形成の自律性と安定性に対してフィードバックが果たす役割を明らかにすることを目的とし,組織の力学場から細胞活動へのフィードバックを考慮した形態形成の数理モデルを構築する.

研究実績の概要

本年度は,生体組織の内部に生じる力学場から細胞活動へのフィードバックが,組織の形態形成に与える影響を明らかにした.昨年度に構築した細胞の増殖を組織の体積的な成長として表現する連続体力学モデルを拡張し,細胞の移動にともなう組織の体積的な変化を表現するモデルを新たに構築した.そして,細胞の増殖と移動が重要な役割を果たす脳組織の形態形成に構築したモデルを適用した.まず,大脳組織の形態形成における層形成を対象とした数値シミュレーションを行った.大脳組織の層形成では,細胞が,成長する組織内を移動して適切な配置を獲得する必要がある.そこで,層形成のシミュレーションを行い,細胞移動と組織成長が層形成に与える影響を調べた.その結果,細胞が集積するために組織成長が重要であることを示唆するとともに,脳組織の形態形成に対する構築したモデルの有用性を示した.さらに,小脳の形態形成におけるしわ形状の形成にモデルを適用した.小脳のしわ形成では,細胞が組織内の線維に沿って移動するため,組織変形により線維の配向が変化すると,細胞の移動方向も組織変形の影響を受ける.そこで,ひずみ場から細胞移動へのフィードバックを考慮した組織変形のシミュレーションを行い,線維に沿った細胞移動により小脳組織内で不均一に細胞が集積し,小脳の形態的な特徴である伸長したしわが形成されることを明らかにした.このメカニズムは,組織のひずみ場に応じた細胞移動によって,しわが一度形成されるとその形状が維持され,伸長することを示しており,小脳の安定的な形態形成に重要な役割を果たすことが示唆された.以上の研究成果は,力学場から細胞活動へのフィードバックを考慮した連続体力学モデルの構築と実現象への適用を通じて,細胞活動と組織の力学場が相互に作用することが組織形態形成に与える影響を明らかにするための新たな数理的アプローチを提案するものである.

現在までの達成度 (段落)

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(2件)
  • 2020 実績報告書
  • 2019 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2021 2020 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Cerebellar foliation via non-uniform cell accumulation caused by fiber-guided migration of granular cells2021

    • 著者名/発表者名
      Hironori Takeda, Yoshitaka Kameo, Takahiro Yamaguchi, Kazunori Nakajima, Taiji Adachi
    • 雑誌名

      Journal of Biomechanical Science and Engineering

      巻: 16 号: 1 ページ: 20-00516-20-00516

    • DOI

      10.1299/jbse.20-00516

    • NAID

      130008031763

    • ISSN
      1880-9863
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Continuum modeling for neuronal lamination during cerebral morphogenesis considering cell migration and tissue growth2020

    • 著者名/発表者名
      Hironori Takeda, Yoshitaka Kameo, Taiji Adachi
    • 雑誌名

      Computer Methods in Biomechanics and Biomedical Engineering

      巻: - 号: 7 ページ: 799-805

    • DOI

      10.1080/10255842.2020.1852554

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] An energy landscape approach to understanding variety and robustness in tissue morphogenesis2020

    • 著者名/発表者名
      Hironori Takeda, Yoshitaka Kameo, Yasuhiro Inoue and Taiji Adachi
    • 雑誌名

      Biomechanics and Modeling in Mechanobiology

      巻: 19 号: 2 ページ: 471-479

    • DOI

      10.1007/s10237-019-01222-5

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 細胞移動と組織成長から生じる脳形態形成の有限要素解析2020

    • 著者名/発表者名
      竹田宏典,亀尾佳貴,安達泰治
    • 学会等名
      日本機械学会 第31回バイオフロンティア講演会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] 神経細胞移動にともなう脳形態形成の連続体力学モデル2019

    • 著者名/発表者名
      竹田宏典,亀尾佳貴,安達泰治
    • 学会等名
      日本機械学会第32回バイオエンジニアリング講演会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] 組織形態形成における多様性と安定性の理解に向けた非線形連続体力学の基づくエネルギー地形アプローチの提案2019

    • 著者名/発表者名
      亀尾佳貴,竹田宏典,安達泰治
    • 学会等名
      日本機械学会第32回計算力学講演会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] 脳形態形成におけるニューロン移動と大脳成長の連成数理モデリング2019

    • 著者名/発表者名
      竹田宏典,亀尾佳貴,安達泰治
    • 学会等名
      生物物理学会年次大会2019
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] エネルギー地形アプローチに基づく組織形態形成の多様性と安定性の探求2019

    • 著者名/発表者名
      亀尾佳貴,竹田宏典,安達泰治
    • 学会等名
      生物物理学会年次大会2019
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書

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公開日: 2019-05-29   更新日: 2024-03-26  

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