研究開始時の研究の概要 |
フラーレンC76は歪みに由来するキラリティ―を有する化合物で、キラルな巨大ホスト分子を用いるエナンチオ選択的包接によるラセミ体C76の光学分割が7% eeで達成され注目を集めた (T. Aida et al. J. Am. Chem. Soc. 2010, 132, 5928.)。 フラーレン及びその誘導体の物性研究が展開されるにつれ、キラルフラーレンに関しても不斉合成が研究されてきたが、そのほとんどは骨格外に不斉因子を導入する手法である。一方我々は、『動的分子認識』という独自のアプローチによって、触媒的かつ効率的にフラーレン骨格特有のキラリティーの識別を目指す。
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