研究課題/領域番号 |
19J15093
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石川 良賀 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2020年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2019年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 細胞外ベシクル / バキュロウイルス発現系 / 膜タンパク質 / PD-1 / リポソーム / 膜融合 / ドラッグデリバリー / ドラッグデリバリーシステム |
研究開始時の研究の概要 |
あらゆる細胞は、脂質膜で囲まれたナノサイズの小胞を細胞外へ分泌している。これらは細胞外ベシクル(EV)と総称され、細胞間の情報・物質輸送の役割を担っていることが近年明らかとなった。EVは高い物質輸送能および生体適合性を有するためドラッグデリバリーシステム(DDS)における薬剤運搬キャリアとしての応用が期待されているが、標的指向性の制御や内部への薬剤導入など様々な問題点が残されているのが現状である。そこで本研究では、EV膜上へ膜タンパク質を提示することによる機能化を図り、核酸医薬品などのバイオ医薬品を運搬する新規DDSキャリアの開発を行っている。
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研究実績の概要 |
昨年度までの研究成果において、免疫チェックポイントタンパク質PD-1の遺伝子を組み込んだバキュロウイルスを昆虫細胞に感染させ、昆虫細胞が放出した細胞外ベシクル(EV)の物性評価および機能評価を行ってきた。2020年度は、PD-1提示EV(PD-1 EV)上のウイルス由来膜融合性タンパク質gp64の機能を利用し、PD-1 EVと人工脂質膜小胞リポソームを融合した新規ハイブリッドEVの構築と融合挙動の詳細な解析を行い、さらにハイブリッドEV内包物の細胞質内デリバリー機能を評価した。 蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を用いたアッセイにより、gp64のpH応答的な膜融合機能を評価した。EVとFRETリポソームを酸性条件で混合すると、EV濃度依存的なFRETの解消が確認されたことから、EVとリポソームが酸性環境に応答して融合しているが分かった。イメージングフローサイトメトリーを用いて、EVとリポソームの膜融合効率を単一粒子レベルで解析したところ、膜融合が100%進行する条件を見出し、さらにEVとリポソームの混合比によりハイブリッドEVの表面組成を制御し得ることが明らかとなった。また、蛍光標識デキストランを内包したリポソームを調製し、EVと酸性条件で融合することでデキストラン内包ハイブリッドEVを作製した。これをHeLa細胞に添加し共焦点レーザー顕微鏡で観察したところ、ハイブリッドEVが細胞内に取り込まれた後、後期エンドソームやリソソームなどの酸性オルガネラに輸送され、さらに内包物のデキストランが細胞質へと放出された。またプロトンポンプ阻害剤でHeLa細胞を前処理すると、デキストランとオルガネラの共局在率が上昇することが確認された。つまりハイブリッドEVは、gp64を介した酸性オルガネラとの膜融合により内包物を細胞質へと送達可能なDDSキャリアとして機能することが明らかとなった。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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