研究課題/領域番号 |
19J15164
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分01020:中国哲学、印度哲学および仏教学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
成 高雅 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2020年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2019年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 医学考証学派 / 多紀家 / 考証学 / 江戸医学館 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は江戸後期医学における考証学派の代表である多紀氏について研究を行う。日中の考証学の比較を中心に、医学考証学派の学問の特性を特定し、清朝の考証学から継承したものと相互の差異を確認し、思想史的視角から医学考証派の学問を明らかにすることを目的とする。 具体的には、多紀氏の旧蔵書・関連資料の調査、その考証学手法と清朝の考証学との影響関係、また社会的・経済的・政治的環境における清朝の考証学者と医学考証学派の状況の相違について考察する。これらの考察を通して、思想史における医学考証派の実像を明らかにし、それらが江戸後期の漢学・清の考証学と連動する形で成立していたものとして新たに位置付けることをめざす。
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研究実績の概要 |
今年度は、医学考証学派と明清の考証学的学術との接触に関して、まず多紀元簡最初の著書と見られる『コ{木偏・扈}中鏡』に関する調査と研究を完成し、その現存版本に対して全面的に調査した上に、該書の成立経緯を明らかにし、かつ多紀元簡の学問の特徴を詳しく分析し、その書誌学と考証学は江戸時代の学術に多大な影響を与えたことを述べ、論文「多紀元簡『コ中鏡』について」を完成した。次に、多紀元簡著・多紀元胤補・多紀元堅校訂による『扁鵲倉公伝彙攷』に関する調査と研究を完成した。具体的には、『扁鵲倉公伝彙攷』編纂過程における各自筆稿本を調査・整理し、本書の編纂における諸稿本間の関係を明らかにし、稿本から刊行までの成立過程と経緯を明らかにし、論文「『扁鵲倉公伝彙攷』の諸本について」にまとめた。さらに、『扁鵲倉公伝彙攷』を通して、多紀家学術における考証学的手法と中国明清の考証学との影響関係について研究を進め、元簡・元胤・元堅が使った資料と中国清朝、特に乾嘉の学者の考証との関連性について分析と比較研究を行った。その成果として、論文「従『扁鵲倉公伝彙攷』看医学考証学派的学術与清代考据学発展的関連」を完成した。これらの考察により、日中考証学の比較を中心に医学考証学派の学問の独自性を特定し、清の考証学から継承したものと相互の差異を確認し、思想史的視角から医学考証学派の学問を検討できた。以上の考察により、江戸後期の漢学・清の考証学と連動する形で成立していたものとして新たに位置付けていくことが可能となり、既存の考証学の思想史研究に対して問題提起を行うことが可能となった。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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