研究課題/領域番号 |
19J15525
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中島 翼 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2020年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2019年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | ラジカルカチオン / シリルエノールエーテル / アリルラジカル / ブレンステッド酸 / 水素原子移動触媒 / 光レドックス触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
電子豊富オレフィンの一電子酸化によって生じるラジカルカチオンの高い酸性度に着目し、ブレンステッド酸として活用した触媒反応の例は無く、本研究独自のユニークな反応開発戦略である。酸による活性化を行うことで、様々な求電子剤を用いたアリル位官能基化反応に展開できる。私が提案する触媒反応の最大の特徴は、遷移金属触媒やエン反応を利用した不活性アリル位C-Hアルキル化反応とは異なり、電子豊富かつ反応性の高いオレフィンを残したまま不活性C-H結合を変換できるという点である。電子豊富オレフィンのアリル位官能基化を行い、その後重合反応を行うことで官能基化ポリマーを合成するといった応用もできると考えている。
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研究実績の概要 |
本年度は、光レドックス触媒を用いたシリルエノールエーテルの一電子酸化により生じるラジカルカチオンのブレンステッド酸としての利用を念頭に置いた反応開発に取り組み、一定の知見を得た。具体的には、シアノピリジン類をブレンステッド塩基性の基質として用いることで、ラジカルカチオン自身が触媒的なブレンステッド酸として働き目的とするアリル位でのヘテロアリール化反応が進行することを見出した。実際に、cyclic voltammetry や Stern-Volmer 実験による機構解析により想定している反応機構で進行している可能性を示唆する知見を得た。ピリジル基を持たず同等の還元電位を有する1,4-ジシアノベンゼンを用いた際に反応が全く進行しなかったことからも、本反応がプロトン化により基質の還元電位を大幅に低下させ ることが重要であることを示す結果が得られた。 一方で、並行してシリルエノールエーテルの一電子酸化-脱プロトン化を鍵とするアリル位アルキル化反応の拡張を指向し、種々のイミンをアクセプターとしたアミノアルキル化反応を試みたが、目的生成物がほとんど得られなかった。そこで、①アリルラジカルのイミンへの付加後に生じる窒素ラジカルの安定性、②生成物のアニリン誘導体の酸化還元電位、③シリルエノールエーテルのアリル位C-Hの結合解離エンタルピーが比較的低い、という点に着目し、水素原子移動触媒を利用したアリル位C-Hの活性化法へと変更を試みた。実際に反応条件の検討を行ったところ、窒素上に4-メトキシフェニル基を有するイミンを用い、水素原子移動触媒としてトリイソプロピルシランチオールを用いることで円滑にアミノアルキル化反応が進行することを見出した。また、得られた生成物はエノール部位およびアミノ基を有しており、誘導化により様々な含窒素化合物へと変換することで本反応の有用性を示した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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