研究課題/領域番号 |
19J15560
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
Hou Yuejiang 北海道大学, 教育学院, 特別研究員(DC2)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2020年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2019年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 小中移行期 / 縦断 / 学校享受感 / 欠席行動 / 教師との関係 / 学校適応の変化軌跡 / 欠席志向性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は中学校1年における不登校の増加を受けて,小学校から中学校に移行した際に学校適応の変化を解明し,それが欠席志向性と欠席行動へ及ぼす影響を明らかにしたい実証研究である。 具体的には,以下の3点を主に検討する。①小中移行期の学校適応に関する縦断調査を行い,不適応に陥る変化パターンを特定する。②学校バーンアウトの視点から学校適応の変化をアプローチし,学校不適応に対する新たな理解を目指す。③学校適応などの心理指標と欠席の行動指標の関係を検討し,学校を休む子どもの心理と行動の両方から理解を深めたい。
|
研究実績の概要 |
昨年度の主要な実績は以下の3点である。 1つ目は,小中移行期の学校享受感の変化様態と関連要因の分析結果を論文化したことである(侯・太田・加藤,2020)この研究の結果では,①小中一貫校は非一貫校よりも移行における環境の変化が小さかったにもかかわらず,2校間の学校享受感の変化様態には違いは認められなかったこと,②学校享受感の変化様態は,平均的に見ると軽微に低下するが,大多数の子どもはほぼ変化せず,ごく少数の子どもが明確な向上と低下を示し,個人差が認められたこと,③親との関係による予測が見られなかったのに対して,中1前期の教師との関係が中1後期の学校享受感への予測が確認されたこと,の3点が見いだされた。 2つ目は,複数のコホートのデータを通して,小6後期から中1前期までの学校享受感の変化軌跡における下位パターンを抽出したことである。その結果では,学校享受感の低下パターンと低レベル維持パターンが確認された。学校享受感の低下パターンでは,学業意欲・理解度の低下が顕著であった。当該分析は発達心理学会第32回大会にて発表した(Hou・太田・加藤,2021)。後続分析では,小6後期から中1前期にかけて,友人関係は学校享受感との間に共変関係しか見られなかったのに対して,学業意欲・理解度は学校享受感を縦断的に予測することが確認された。 3つ目は,学校生活の諸側面の交互作用を検討するために,OECD生徒の学習到達度調査による大規模データを利用し,欠席行動と主観的学校所属感に共通するメカニズムを見出したことである。その結果では,いじめ被害経験と教師の不公平との交互作用が見いだされた。つまり,いじめを多く受けている生徒にとって,教師からの公平な扱いがより大きな影響を持っており,教師に公平に対応されることによって,学校所属感の低下と欠席日数の増加が緩衝されることが示された。当該分析は教育心理学会第62回総会にて発表した(Hou, 2020)
|
現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|