研究課題/領域番号 |
19J20022
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大崎 遥花 九州大学, システム生命科学府, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2020年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2019年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 配偶行動 / 性的共食い / クチキゴキブリ / 一夫一妻 / 亜社会性 / 婚姻贈呈 / マイクロサテライト / 子の保護 |
研究開始時の研究の概要 |
リュウキュウクチキゴキブリは、配偶時に雌雄が互いの翅を付け根付近まで食い合う。翅の食い合いは性的共食いの一種とみなせるが、これまでは決まった性が異性を食う一方的な性的共食いしか報告がない。食われた個体は将来の繁殖成功が著しく低下する。このため性的共食いは性的対立の究極的な例と考えられている。性的対立とはオスメス間の利害対立であり、子を残す最適な戦略は雌雄で異なるために生じる。よって性的対立は生物の生態や行動の進化を理解する上で鍵となる重要な概念である。両性が互いに食い合う初の性的共食いである翅の食い合いの意義を解明することで、性的対立の理解に大きく貢献し、新たな雌雄の繁殖戦略の知見を提供する。
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研究実績の概要 |
生物初の両性による性的共食いであるクチキゴキブリの翅の食い合いの意義解明のために、翅の食い合いができない実験操作を実施した。具体的には、翅をコーティングして翅はあるが食えなくした処理区、翅を事前に切断して翅がない処理区、翅は無処理の処理区の3つを用意し、配偶行動及び翅の食い合いをビデオカメラにより観察した。その結果、コーティング処理区、切断処理区ともに無処理区比べて、交尾成功ペア数、交尾から産仔にかかる日数、クラッチサイズすべて有意差はなかった。したがって、翅の食い合いは翅を食うことで繁殖への養分を得ているなど、食うことに意義がある行動なのではない可能性が高いと考えられる。翅を食うことが重要なのではないとすると、残るは翅を食われることである。翅を食われることで適応度を上昇させる仮説としては、翅があると死亡率が高まる、もしくは繁殖に適していない、という可能性が考えられるので、今後はこれらの仮説を検証していく。 クチキゴキブリは生態の解明されていない昆虫だが、今年度は室内飼育系の確立に成功し、飼育方法を報告する論文をEntomological Science誌に出版した。これは今後、この研究の発展の基盤となる技術であり、本研究に置いて非常に価値のある業績である。 また、学内の賞である、2021年度九州大学若手女性研究者・女子大学院生 優秀研究者賞(伊藤早苗賞) 女子大学院生部門において最優秀賞をいただいた。受入研究機関の中でも本研究への注目度が高まり、本課題を多くの人に知っていただけたことはアウトリーチという観点からも非常に有益であった。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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