研究課題/領域番号 |
19J20306
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
兵頭 克敏 九州大学, 工学研究院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2020年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2019年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 粒界強度 / ホールペッチ / 分子動力学 / フェライト鋼 / 窒素 / 粒界 / 炭素 / 転位 / 原子間ポテンシャル / 鉄炭化物 / 鉄窒化物 / 固溶炭素 / 固溶窒素 |
研究開始時の研究の概要 |
鉄鋼材料は、建築物や自動車、家電製品など身の回りの様々な物に用いられている。このように構造用材料として鉄鋼材料が用いられる理由の1つとして、それら人工物の構造を維持できる程の大きな強度を有している事が挙げられる。上記のように、鉄鋼材料の強度は非常に重要な特性である。しかしながら、この強度を支配する現象(降伏直後)については様々な説が存在するものの、未だ決定的なものが存在しない。そこで、本研究では原子シミュレーションという比較的新しい研究方法を用いて、これまで実験的に明らかにされなかった原子レベルでの現象をシミュレートし、その現象を解明することを目的としている。
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研究実績の概要 |
3種類の非対称傾粒界(方位差:15度、17度、19度)でモンテカルロシミュレーションにより窒素の粒界偏析を行った後、パイルアップシミュレーションを行った結果、窒素の粒界偏析による粒界強度の上昇は見られなかった。そこで、この結果に対し非対称傾角粒界の非対称性が影響しているのではないかと考え、結晶方位差による影響をパイルアップモデルで調査するのではなく、粒界性質が異なる対称傾角粒界で粒界に対し垂直に引張変形を行うことで粒界からの転位形成による降伏現象の差異を調査することとした。粒界からの転位放出による降伏現象において、粒界性質である粒界エネルギーや粒界構造起因の歪みが降伏現象に影響することが考えられる。また形成される転位への負荷応力を等しくするために、転位形成時の最大のシュミット因子が同程度となる粒界を選択する必要があるため、以下のような粒界性質が異なる5つの粒界(<110>軸回転の(552)Σ27、(221)Σ9、(114)Σ9、(115)Σ27、(116)Σ19粒界)を選択し、各粒界において2つの粒界と完全結晶2つで構成される系を作成し、粒界に対し垂直に引張変形を行うことで、どのような変形挙動を示すか調査した。その結果、粒界エネルギーよりも応力分布の方が降伏挙動に影響を与えることが分かった。さらに、転位形成により降伏現象が生じた粒界において窒素の偏析シミュレーションをモンテカルロ法により行い、上記の研究と同様に引張変形シミュレーションを行った。非対称傾粒界でのパイルアップシミュレーションと同様に、偏析による降伏応力上昇が見られなかった。以上の結果は実験による過去の知見(ホールペッチ係数から得られる粒界強度とナノインデンテーションによる粒界強度に偏析前後で大きな解離)と同様に窒素偏析により強度が上昇する粒界と上昇しない粒界が存在することを示唆していると考えられる。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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