研究課題/領域番号 |
19J20509
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分03060:文化財科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山口 晴香 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2021年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2019年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 象牙質 / 成長線 / 同位体分析 / 縄文時代 / 弥生時代 / 同位体食性分析 / 微量連続サンプリング / 食性の季節変化 / コラーゲン / 炭酸塩 / 雑穀 |
研究開始時の研究の概要 |
縄文・弥生人骨の炭素・窒素安定同位体比測定を通して日本の先史時代人における食性の季節変化を分析し、各時代の食料資源の利用戦略を明らかにする。特に「縄文カレンダー」の検証、雑穀利用の弥生農耕における位置付けの考察を行う。 上記の目的のために、組織の形成方向に沿った歯根象牙質の微量連続サンプリングと微量コラーゲン試料の炭素・窒素安定同位体比測定の技術開発を行う。また、タンパク質の同位体比を主に反映するコラーゲンに対し、全栄養素を反映するヒトヒドロキシアパタイト(骨・歯の主要無機成分)中の炭酸塩の炭素安定同位体比測定を行い、植物利用を中心に新たな知見を得る。
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研究実績の概要 |
歯根象牙質における成長線の観察は、先行研究では脱灰前に透過光顕微鏡観察専用の切片および同位体分析用の切片をそれぞれ作成し、透過光顕微鏡観察専用の切片については完全に脱灰した上で成長線の可視化のために染色をしていた。この手法では異なる切片で観察した顕微鏡画像上の成長線をもとに同位体分析用の試料を採取しており、脱灰による各切片の形状変化や、切断時の刃による試料損失が招く切片間の成長線のズレを考慮できないという問題があった。そこで、本研究では同じ歯の切片で「成長線の観察」と「同位体分析用の試料採取」を可能にすることを目指した。コラーゲンの同位体分析をするのに十分な試料量を確保するためには、通常の顕微鏡観察用切片(4 μmから100 μm厚)より分厚い切片で、脱灰せずとも成長線を観察可能であることが求められるため、2 mm厚の切片において脱灰せずに成長線が観察可能になる方法を探った。 その結果、鏡面研磨した後に、塩酸による短時間の脱灰を行い、アニリンブルー(膠原繊維を染める染色液)による染色すると、実体顕微鏡下で60 μm間隔の成長線を観察できることが分かった。間隔から考察すると、アンドレーゼン線が2本に1本染色できたと考えることができ、これは時間に変換すると約2週間間隔の成長線が観察可能になったことを意味する。 次に、この実験を改善することを目的とし、弱い脱灰のみを用いた成長線の観察を試みた。論文投稿前であるためその詳細は省略するが、この実験により、アニリンブルーによる染色を行わなくても染色時同様に成長線が観察可能なことが分かった。染色は同位体比へ大きな変化をもたらす可能性があるため、酸による脱灰のみを用いた手法が最も望ましいと考えられる。 以上により、「人歯資料の単一切片における成長線の観察と同位体分析用試料採取の両立」へ大きく前進した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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