研究課題/領域番号 |
19J20763
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
勝呂 剛志 東北大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2020年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2019年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | Keller-Segel 系 / 移流拡散方程式 / 特異極限問題 / 最大正則性 / 実補間理論 / 対数型 Sobolev の不等式 / 一様局所可積分空間 / 適切性 / エントロピー / モーメント不等式 / 準線形偏微分方程式 / 不確定性原理 |
研究開始時の研究の概要 |
発展方程式とは、時間が経つごとに変化する流体等の運動を記述する方程式である。本研究では発展方程式の解の正則性、つまり、解の滑らかさや連続性、ひいては解の形状の研究を目的とする。この研究では、特に、熱分布の拡散を記述する熱方程式を代表とする放物型偏微分方程式を中心に考え、函数の凝集の度合いを表すエントロピー汎函数を用いることによって、解の局所的な評価を得る。 また、解が有限時間内で特異点を持ち、解のある量が発散する場合、こういった現象は爆発と呼ばれる。爆発するような解の爆発近傍における解の漸近的な挙動の研究への応用が考えられる。
|
研究実績の概要 |
本年度に実施した研究の成果として、走化性粘菌の運動を記述する Keller-Segel 系の初期値問題の零緩和時間極限を一様局所可積分空間で示した。この方程式系は2本の放物型方程式からなる非線形偏微分方程式系であり、方程式中のパラメータの極限操作により、第二式が放物型から楕円型と偏微分方程式を規定する型が変わるため、これを特異極限と呼ぶ。この研究は昨年度に実施した研究である、Keller-Segel 系の単純化である移流拡散方程式の初期値問題の一様局所可積分空間における適切性の研究に端を発するものであり、小川卓克氏 (東北大学) との共同研究に基づくものである。特異極限の収束の証明においては、一様局所可積分空間における熱方程式の初期値問題の解の最大正則性理論を適用する。最大正則性理論は UMD 空間と呼ばれる、Lebesgue 空間を代表とする性質を擁する函数空間上で整備されている。一方で、一様局所可積分空間は UMD 空間ではないことが知られており、最大正則性を示すためには個別の議論を要する。本研究では、一様局所可積分空間の実補間空間を用いることで、熱方程式の初期値問題の解の一般化最大正則性を示した。これは、Keller-Segel 系や移流拡散方程式に限らず、流体の運動を記述する Navier-Stokes 方程式の初期値問題への応用が期待される。また、熱方程式の解の最大正則性理論は解析半群との関わりが強い一方で、対数型 Sobolev の不等式も熱半群の消散評価と相関関係を持つので、放物型偏微分方程式の数学的構造を代表する性質としての最大正則性と対数型 Sobolev の不等式の関連が期待される。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|