研究課題/領域番号 |
19J21071
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中辻 柚珠 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2020年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2019年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ナショナリズム / ナショナル・インディファレンス / プラハ / チェコ史 / 芸術界 / マーネス協会 / 芸術 / 近現代史 / モダニズム / ナショナリズム史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、近現代プラハにおけるナショナリズムの展開を芸術家の利害という角度から見つめ直すことで、当時の社会を生きた人々にとってナショナリズムとは何であったのか、ナショナリズムが生じた諸原因とは何であったかを再度考察しようとするものである。対象とするのは、プラハで最初にモダニズム芸術を牽引した「マーネス造形芸術家協会」である。モダニズム芸術の汎ヨーロッパ的傾向とプラハ内のナショナリズムの高まりの間で、彼らがいかに活動し、いかなる理念を構築したかを調査する。
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研究実績の概要 |
本研究は、19世紀末以降、急進化するナショナリズムに距離を取った「マーネス造形芸術家協会」(以下「マーネス協会」)というプラハの芸術家団体が、第一次世界大戦を経てナショナリズムに傾倒していく過程を明らかにするものである。 新型コロナウイルス感染症の影響で、本来3年であった科研費の使用期間を3年半に延長してもらった。その影響で、前年度の研究実績報告では2020年4月から2022年3月までの内容を報告する形になった。したがって、ここでは2022年4月以降の実績について報告する。 前年度からの研究対象であったフランタ・アニーシュという芸術家・実業家について調査を進め、2022年7月に東欧史研究会にて報告を行った。帝国軍にコミットしたアニーシュは、戦後ネイションへの裏切り者として非難され、マーネス協会からも追放された。マーネス協会がナショナリズムとの距離を縮めた背後には、このような「無関心」を消す試みがあったことを明らかにした。 また、銃後に留まった芸術家たちの経験についても調査を進めていった。2022年9月にプラハに渡航し、必要な史料の収集を進めた。これらをもとに研究を進めた結果、銃後のマーネス協会が経済難に陥っており、それまで連帯することのなかった他の「チェコ民族」(原文ママ)の団体と連携して自助活動を展開していたことが分かった。また、国はマーネス協会への補助金をカットした一方、ウィーンの芸術家には手厚い経済支援を行っていた。このような不平等とチェコ民族としての連帯の経験が戦後のチェコスロヴァキア国家の支持に繋がったと分析する。 現在は、初年度からの研究をまとめ、博士論文を執筆中である。戦前にナショナリズムに距離のあった団体が戦後にナショナリズムに傾倒した過程を示すことで、ハプスブルク君主国の解体の要因を戦前からのナショナリズムの高まりに見出す従来の歴史観の見直しを図る。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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