研究課題/領域番号 |
19J21075
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
近藤 凜太朗 大阪大学, 人間科学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2021年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2020年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2019年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | ジェンダー / 表象 / フェミニズム / 第三世界 / 女性に対する暴力 / NGO |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、社会変革的な理念をもって運動する「第三世界」のフェミニストNGOが「第一世界」に向けて行う表象実践の意味の全体像を、表象の素自体がもつ意味内容と、「第一世界」の読み手がその素材に対して下す評価の両面に着目しながら、明らかにすることにある。 「第三世界」のフェミニストNGOがインターネット上に公開する各種文書資料のメディア論的分析、さらには「第一世界」の一般市民を対象としたグループ・ディスカッションを通じて、「第一世界」市民が「第三世界」の女性差別問題に対してもつ認識の枠組みを問い直せるような、メディア・リテラシー教育および国際理解教育のあり方を構想する。
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研究実績の概要 |
本年度は、昨年度までの研究に引き続き、アシッドバイオレンスのサバイバー支援を担うバングラデシュの女性NGOの広報活動を事例として、そこに描かれる人物像をポストコロニアル・フェミニズムの視点から分析した。その際、本年度は、女性NGOがウェブ上に公開する写真集を分析の素材としながら、特に「子ども」像の意味作用に着目した。 分析の結果として見出された知見は以下の通りである。第一に、分析対象とした写真集は、他の開発・人道支援組織の広報物と同じく、無垢な「子ども」像や「母子」像を配置することでオーディエンスの共感を喚起していた。第二に、写真集に登場する「第三世界の男の子」像は、暴力被害による心理的葛藤や社会関係上の困難とは切り離されたかたちで描かれ、女性サバイバーの場合とは異なって安価な生産労働やケア労働を免除されていた。このことはすなわち、「第三世界の子ども」像は一枚岩ではなく、ジェンダーによって差異化されていることを意味している。第三に、そのような「第三世界の男の子」像を介して表出される男性性は、写真集中に登場する「第一世界」の白人男性との関係においては劣位に置かれていた。「第三世界の男の子」像は、グローバルな資本主義の下での男性性のヒエラルキーを崩すことなく、白人男性の覇権を脅かさない位置に置かれているということができる。 今後は、3年間の研究の蓄積を生かしながら、日本国内に流通する開発・人道支援組織(国連機関、政府系機関、NGO等)の広告や出版物を幅広く分析する作業を通じて、「第三世界」のジェンダー表象の実相をより網羅的に描き出していくことが期待される。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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